未完成の始まり
1/31OPとして追加 後にセリフを追加予定。
『ララさ…、あなた……………』
…誰の声だ? 名前を呼ばれたみたいだけどよく聞こえないな。
唐突に響いてきたのは聞いた事のない声、どこか切羽詰ったような響きのそれは女性のものだろう事しか分からない。
『今………かいのが採……………た持ってき…………』
『俺……前はクリ…、見ての……冒険…………………』
『分か………さ、それ………む!」
『………して、私の名………レン、こいつと同………者をやっています』
『大事な家………ってくれてと………謝してるんだよ』
『初………て、私の………ーティーのまとめ役………役を務めているレ………申します』
『………すね、明日には村を………とになるのでこの………で終わりにしてお……………』
『シア…で…………しくお願いし……』
『あの時、………えない私………引いてくれ………あなた……た。
…から…………………あり………』
まただ、一体誰の声なんだこれ?
今度はさっきとは違う人たちの声だけれどやはりうまく聞き取れない。
…でもどうしてだろうか? 聞いた事はないはずなのに聞き覚えがある、そんな矛盾を孕んだ奇妙な感覚に支配されていた。
もしかしてこれは夢じゃないだろうか? いわゆる明晰夢というやつ。
体を動かそうとしてみてもその体の存在がどうにも希薄なのだ。
さらに声は続くが
『…………………ってるじゃない!………ゃ私も名……せて貰うわ。私はミ…………ウォーレッ…………の領………で軍に所…………導士でもあるわ…そ……そちら……』
『良……よ、あ………私のパ………ーなんだから助けるのは………事よ』
『私………ンリバ………主を務めているベネ………………レットだ。………………所に………いな………ちら……けなさい』
『下………ると………………れすらある』
『…あら、そういえ……………紹……してなかっ……ね。
私の名………………このお店の店長……………術師よ。うち…………もどもよろし…………するわ』
『…帰…… 帰………………早くここか…………け!!』
『俺の……………ック、この…………工技師だ。主に武……………工を担……ている』
『頼む、東……………けはなんと…………めてくれ』
『は、はい、…………さい! あっ、申し…………た、私こ…………の見……をしている………ルって言……す。よろ…………いしま……』
『…師…… もしか…………れじゃ……ですか?』
そのどれも、聞き覚えのある声な気がするだけで思い出すことは出来ない。
なんとなく引っかかるものはあるのだが夢の中であるせいかどうにもはっきりとしないのだ。
『あ………………は私が守って………………安……てくれ』
『………………ねえ、ほ……………てくれるの? ロメ……………なたも…私が頑………いるんだって……分かって………の?』
『私………しに行………りだよ』
『次………た時にしっ…………してあげる…………しみに…………さいね……ラ♪』
これっていつまで続くんだろ、早く目が覚めないか…ん?
『死ん…………んだ……ど………の…』
あれ? 今の声って…でもなんだかえらく必死だったな…?
そんな中で1つ僕の良く知る声が聞こえて来る。
おそらく妹のものだと思われる声なのだが…しかし、とても強い感情が感じられるそれもやはり記憶にはない言葉であった。
『…』
『…』
その後も声は続くのだがやはり聞き覚えのないものばかりだ。
延々と知らない声ばかり、しかも不明瞭なそれを聞かされ続け辟易としてきたのだが、
あれ? 聞こえなくなった…かな?
しばらく我慢しているとそれらの声が徐々に聞こえなくなって来る。
もしかしたら夢から覚めるのかもしれない、自覚を持って夢から覚めるなんて経験は初めてだが…。
…前にも同じ事があったような…気のせいかな?
そして、最後にもう一度だけ声が聞こえて来る。
それは最初に響いてきたものと同じ言葉であり、でも今度はそれをはっきりと聞き取ることが出来た。
「ララさん…あなただけでも…」
しかし…それはやはり記憶にない言葉であった。