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バンドマンの迷走  作者: 猫山犬吹
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バンドマンの迷走 第四話 バンドマンのソロパート サブギターのデート 

声劇用の台本です


サブギターに焦点を当てた話です

バンドマンの迷走


第四話


バンドマンのソロパート


サブギターのデート



サブ「ごめん、待った?」

彼女「大丈夫、今来たところだから。」

サブ「その帽子可愛いね。」

彼女「今日はお山でお散歩だから勝手に盛り上がっちゃって、かぶってきちゃった。」

サブ「かわいいよ。その帽子も君も。」

彼女「褒めるのは帽子だけでいいの。かわいい、とかはもっとロマンチックな時に言ってくれた方がうれしいな。」

サブ「ロマンチックな雰囲気になった後はしゃべる余裕ないじゃん。」

彼女「もう。意地悪。」

サブ「だから、今のうちにたくさん可愛いって言っておかないとね。可愛いよ。」

彼女「恥ずかしいでしょ、もう。早く行こ。」

サブ「ちょっと待って。」

彼女「どうしたの?」

サブ「ちよっと抱きしめたくなった。ハグしていい?」

彼女「ちょっとだけだからね。あと、変なとこ触らない。」

サブ「はい。良い匂いする。まるでお花の妖精さんのようだ。」

彼女「茶化さないでよ。ほら、さっさと行くよ。」

サブ「うん。」

彼女「久しぶりだね。デートするの。」

サブ「うん。」

彼女「お散歩しながらゆっくり話せたらいいなって思って。それにライブハウスはタバコの臭いがするから、たまにはタバコの臭いのしないところで会いたかったの。」

サブ「禁煙した方がいいかな?」

彼女「私はしてほしいな。」

サブ「考えとく。」

彼女「禁煙するなら、私は協力するからね。ちゃんと頼って。」

サブ「今以上にダメ男になりそう。」

彼女「お姉さんには甘えていいんだよ。」

サブ「なら、今日は吸わない。」

彼女「じゃ、タバコ預かっとくね。」

サブ「え。」

彼女「ほら、渡して。渡しなさいって。」

サブ「これは、お守りのようなものというか、なんというか、無いと落ち着かないんだ。」

彼女「これから禁煙するっていうときにそんなことしてちゃダメでしょ。出しなさい。あとでパフパフしてあげないからね。」

サブ「わかりました。出します。」

彼女「よくできました。まだ全然歩いてないんだからね。日が暮れちゃうよ。」

サブ「日が暮れたら、夜景を見ようよ。」

彼女「そうね。それもいいかも。手、出して。」

サブ「ちよっと汗かいてるね。」

彼女「手汗かいててごめんなさい。」

サブ「そうじゃなくって。人って相手のことを信頼してないときは手が冷たくなるらしいんだ。だから、信頼してくれてるのかなって思うとつい嬉しくって。」

彼女「それはさっきあなたがすぐにタバコを出さなかったから、とりあげるために動いたからです。」(拗ねた感じで)

サブ「ごめんね。俺のために一生懸命になってくれるからうれしいんだ。」

彼女「もう。」

サブ「木が多くなってきたね。こうして歩いていると二人っきりの世界に迷い込んだみたいだね。」

彼女「私の心はずっと前からあなたに囚われたままよ。」(サブに聞こえないように小さい声で感じ 小さく呟く感じ)

サブ「スキーに行ったときにさ、ウサギの足跡があったじゃん?足跡はよく見るけどウサギそのものって見たことないよね。」

彼女「なんでいきなりその話なの。」

サブ「森なんて普段見ないからさ。なんか思い出しちゃって。普段はずっとコンクリートジャングルだからね。」

彼女「ふーん。」

サブ「もっと私を見てよ。とかは言わないの?」

彼女「ずっと私が振り回されっぱなしだから気に食わないのよ。」(少し不機嫌な感じで)

サブ「じゃあ、次は俺を振り回して見せてよ。」

彼女「次あったときは覚えとけよ。にゃー。」

サブ「わー、やーられるー。」(棒読み)

(二人の笑い声)

サブ「少し道が開けてきたね。」

彼女「うん。」(機嫌直して)

サブ「人の声が聞こえるね。ちょっといってみよう。」

彼女「こんなところに舞台があったんだね。」

サブ「屋外舞台か、観てみようか。」

彼女「あっちの方空いてるよ。」

サブ「どこかの演劇部とかなのかな?観客はあんまりいないね。」


(舞台の内容 人数が足りなければ演劇の部分は飛ばしてください 全体の進行には大きく影響しません)

(はじめ)

悪魔「アーサーよ、お前が王となるべきだ。お前は王にふさわしい。お前自身もそう思っているのだろう。王子のエリオットは血筋のおかげで王になれるのだ。能力によってではない。私はお前こそが王の器だと思っている。」

アーサー「何を言っているんだ。親友のエリオットを裏切るなんて出来るはずがないだろう。エリオットこそ王にふさわしい。いままでも、これからもだ。」

悪魔「本当にそうだろうか。この先エリオットが王位を継ぐとどうなると思う。悲惨だぞ。奴は国を亡ぼす。国土を奪われ、民は飢え、男は殺され、女子供は売られる。お前の家族だってひどい目にあうだろう。」

アーサー「お前には未来がわかるのか。」

悪魔「ああ、わかるとも。だから親切に忠告しに来たのだ。」

アーサー「もし、俺が王とエリオットを殺し、王となれば民は救われるのか?」

悪魔「無用な争いを避け、民は飢えることなく幸せに暮らしていくだろう。」

アーサー「本当に、民は幸せに暮らせるのか?」

悪魔「もし、王位を奪い民を幸せにするというのなら、私は手を貸そう。これを使うといい。エリオットが眠っている間にこの小刀で傷をつけるのだ。毒が回り三日とたたずに息をひきとるだろう。そして、悲しみに暮れる王に寄り添い息子と同じように死を与えるのだ。そうすれば、お前は王になれるだろう。」

アーサー「お前に何の得があるというのだ。」

悪魔「利害の一致というやつだ。聡明なお前なら言わずともわかるだろう。」

劇団員「アーサー役、難しいとは思うけどもっと感情を込めて。身振り手振りも大事だからね。悪魔の言葉に翻弄される人間を全力で演じるんだ。じゃ、最初からやり直し。」

(終わり)


彼女「なんか怖い話だったね。」

サブ「そうだな。」

彼女「どうしたの。眉間にしわ寄ってるけど?大丈夫?」

サブ「大丈夫。何でもないから。」

彼女「本当?」

サブ「大丈夫だって。」

彼女「そう。」

サブ「展望台まであと少しだし、行こうか。」

彼女「うん。もしかしてお腹痛い?それともタバコ?」

サブ「本当に大丈夫だから。」

彼女「口さみしいなら、キスしてあげてもいいよ?」

サブ「口さみしくはないけど、キスはしたいな。」

彼女「ん、やっぱりダメ。帰ったらお家でたくさんシようね。」

サブ「うん。」

彼女「日が傾いてきちゃったね。」

サブ「あともう少ししたら月明かりに照らされた君が見れるね。」

彼女「月の妖精とかいって茶化さないでね。」

サブ「月の女神様、もしよろしければ、私とともにこの町の夜景を見ていただけませんか?」(跪いて言う感じて)

彼女「ふむ、ならば案内するがいい。この町の夜景とやらを見せてみよ。」

サブ「ありがとうございます。女神様をご案内できるなど、私の身に余る光栄。しかし女神様、日が沈むまで今しばらく時があります。お許しいただけるのならば、あなた様への愛の言葉を語ることをお許しください。」

彼女「ほう、私の美しさを其方の言葉で十分に語れるというのか。ならば聞かせてもらおう、詩人よ。」

サブ「私の愛する女神様。あなたに初めてお目にかかることができたあの日をいまだに忘れることができません。夢にまで出て来る始末です。ある雨の日私はその雨に濡れるあなた様を見ました。月の光と雨に濡れたあなたの御身は微かに月の光に包まれその髪は深い紺色の夜空を思わせました。髪の隙間から除くその輝きは夜空に輝く星々の様でした。あの時、あの瞬間、あなたの瞳から零れ落ちる一滴(ひとしづく)はとても美しかった。しかし、その悲しみはなぜか、私にも耐えがたいものに感じられました。どうかこの愚かな私をこの先もあなたのそばで仕えることをお許しください。あの時から私の心はあなた様に囚われたままなのですから。」

彼女「やだっ、聞こえてたの?」

サブ「小声だったとしても君の声を聞き逃すはずないじゃないか。」

彼女「もう、行くよ。」(照れた感じで)

サブ「もうすぐ夜景が見えるね。女神様。」

彼女「そうね。私の王子様。」

サブ「意外とノリノリだね。ここからは目をつむって。手もつなごう。」

彼女「うん。」

サブ「お待たせいたしました女神様。これがこの町の夜景でございます。」

彼女「うわーきれい。いつも見てる町なのに遠くから見るとこんなに違うんだね。」

サブ「うん、すごくきれいだね。でも君の方がずっと奇麗だよ。」

彼女「今ならハグしてもいいわよ。」

サブ「では、お言葉に甘えて。」

彼女「そろそろ帰ろうか。」

サブ「うん。まだまだすることはたくさんあるからね。」

彼女「そうね。ん?もしかして雨降ってきた?」

サブ「ん?あ、ほんとだ。うわっ急に土砂降りになっちゃったね。」

彼女「急いで帰ろう。」

サブ「走るけどケガしないように気おつけてね。」

(二人 走る)

彼女「はあはあ。疲れたね。」

サブ「ここなら雨宿りできそうだね。」

彼女「うん。そこで少し休もっか。」

サブ「うん。」

彼女「雨具持ってきたらよかったね。」

サブ「そうかもしれない。そういえば、初めて会った日もこんな雨だったね。」

彼女「あの時みたいに、泣いてはいないけどね。ありがとう、サブ。」

サブ「どういたしまして。ねえ、少しきざなセリフだけど言ってもいい?」

彼女「さっきはさんざん言ってたじゃない。まだ何か言いたいことがあるの?」

サブ「うん。」

彼女「もう。早く言って。」

サブ「雨に濡れた君の髪が好き。でも、俺の腕の中で汗に張り付いた髪の方がもっと好き。」(耳元でささやく感じで)

彼女「早く帰ろう。」

サブ「うん。」


第四話 終わり

感想いただけると幸いです


twitter @nekontonpost

誤字脱字報告もとてもありがたいです

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