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買い物

 宿の従業員に案内されて部屋に入ると、ドアの横にあるスイッチで明かりが点いた。

 いろいろな説明をしてもらい、部屋の使い方や注意事項を覚える。

 アリス先生は疲れを取りたいと、真っ先に風呂に入る。

 他の女の子たちも、早くさっぱりしたいので、一緒に入った。

 そんなに大きな風呂じゃないけど、ミニサイズな女の子がほとんどだから、大丈夫だろう。


 オレは煌力製品のチェックをしたいので、あとで入ると断った。

 まずは煌力灯だけど、これは他の所でも使われているので、家を作る時に注文しておけばいいだろう。

 煌力は青色なのに、なぜ昼白色みたいな色なのかは気になるけど。


 次は煌力送風機、羽なし扇風機みたいに風を出す物だけど、冷風も温風も出せるようだし、買わないと。

 大きさは扇風機の3倍くらいで、ちょっと邪魔な大きさだ。


 煌力送受信映像モニターは結衣のためにも絶対に家に置こう。全部の部屋に置きたい。

 これの原理はよく解らないので、オレの索敵みたいなものかもしれない。

 オレの索敵は世界中にある煌力を感じ取って、その場所にある物の形や動きを認識するものだから、精度が上がると千里眼みたいな使い方ができるのかも。

 声も送れるみたいだし、煌力はその場の情報を全て伝えてくれる可能性がある。


 煌力収納箱というのも便利ではある。

 収納の指輪のように携帯できない分、容量が大きくて値段は安めだ。それでも庶民には高いと思う。

 収納の指輪の時も思ったけど、煌力をどう使ったら収納できるのか? さっぱり解らない。


 風呂場のほうには煌力洗浄機という物があるから、服を洗ったら送風機で乾かそう。

 これも買えば、食器とかも洗えるようたし、レイラの仕事もかなりラクになるはずだ。


 なんにしても、煌力の使い方はいろいろ有るようなので、オレの技に応用できないか練習しておこう。

 強敵も多いみたいだし、強くなっておかないといつ死ぬかわからん。

 明日は煌力製品を研究している人を捜して、煌力について聞いてみるか。

 女の子たちもが風呂から上がったら、オレも風呂に入って早めに寝た。




 翌日、宿で朝飯を食べてからチェックアウトした。

 まずは買い物に行きたいと言う女の子たちの意見を優先する。

 オレも煌力製品を買っておきたいので、丁度よかった。いろんな店に寄って煌力製品や家具を買おう。


「結衣、でっかいベッドが欲しいんだよな?」


「買ってくれるの!?」


「いいですよね、先生?」


「もう少しお金を稼いだら家を建てられそうだしな! 今の内に買っとこう!」


「アリス姉様が許してくれるなら、私も剣のお手入れ用具が欲しいわ!」


 いつもは店に任せてたからな。家でも出来れば便利だろう。


「必要な物は全部買うぞ! ここでしか買えない煌力製品も多いらしいし」


 前に話したことを、アリス先生も覚えていたようだ。


「オレたちが使うのとは別に、商売用に10個ずつくらい買ってもいいですか?」


「商売って商人ギルドに入らなくても出来るのか?」


「大丈夫ですよ」


 商売自体はギルドに入らなくてもいい。

 でも普通の人は、商売するなら商人ギルドに入っておいたほうが商売しやすい。

 いろんな面でサポートもあるし、個人でやるには資金力と販路がないとキツい。


「それなら~、王都で売れている物を知っているので、お教えしますね?」


 王都での相場は知っているけど、売れている物は知らないから助かるな。

 方針が決まった所で店に入る。まずは家具から買うことにした。

 買った家具に合わせて家を建てることにすれば、理想の家になるはずだ。

 欲しい家具を全部買っていたら、統一感のない部屋になりそうな気もするけど。


「ユイちゃんはどんなベッドが欲しいの?」


「えっとね~、お姫様が寝るやつ! それと家族みんなで寝れる大きさがいい!」


 5~6人で眠れる大きさだと、キングサイズを2つ買うか、特注品じゃないと無理だな。


「そんなサイズはないから特注しよう。店の人に注文すれば用意してくれるだろ」


「特注だと高いんじゃないか? キングサイズを横に使うとかでいいよ」


 オレの言葉にアリス先生が難色を示す。


「アリスさま~、女性としてそれはダメですよ~?」


「アリス姉様、そんなことじゃ結婚できないわよ?」


「結衣は横にして寝るのも面白そうで好き!」


 レイラとマリーナは部屋に置く家具は可愛いのがいいと言っていたからな。


「わかったよ~。アタシは安月給だったんで貧乏性なんだ」


 金はあるし、結衣が楽しみにしてる家だから、内装や家具だって拘りたい。

 店員を呼んで、こちらの希望を伝えた。マットレスの硬さやシーツの素材、毛布や掛け布団の色まで細かく注文した。

 最高級の素材ばかり頼んだので、全部で813万シリン掛かったけど、オレとしては満足だ。


「こんな値段の寝具なんて見たことないぞ。アタシの給料2年分くらいだぞ?」


 認めたのにまだブツブツ言ってるな。余剰金は使ってこそ経済が回るんだと思うけど。

 生活に必要な金だけ残ってれば、あとは全部使うくらいでいいとオレは思う。

 結衣の収納の指輪には、結衣が生きていけるだけの貯金をしてるんだし。


 他にもタンスやカーテン、テーブルセットなどを買い漁ったら、アリス先生も吹っ切れたのか、いろいろ意見を出すようになった。


「でっかい窓が欲しいから、カーテンもでっかいのを買おう! アタシの部屋のカーテンは薄い青がいい!」


「今日のアリスさまの下着の色と同じですね~。お好きなんですか?」


「っ! あほー! あほー! バラすな!」


 顔を真っ赤に染め、両手をグーにしてバンサイしながら怒っている。

 27歳の女性が下着の色をバラされたからって、そこまで反応せんでも。

 ……何歳でも恥ずかしいものか? 男のオレには理解ができないな~。

 戦闘中とかに服が破れて、素っ裸になっても戦い続ける自信があるぞ。


「下着の話が出たし、旦那様の好みを聞きたいわ! 私は白しか持ってないし……」


「似合うなら何色でもいいと思うけど、年齢的に可愛いのがいいんじゃないか?」


 あまり派手なのとかだと引くけど。



 高い買い物ばかりしたので、最優先で作ってくれることになった。3日で全部作ってくれるらしい。

 代金を前払いすると、すぐさま工房に伝えに行った店員を見届けて、オレたちは次の店に向かった。


 次の店は服屋だった。

 下着の話をしたので、マリーナやレイラが可愛い服と下着を欲しがったからだ。

 レイラは自分の物は自分で買おうとするけど、オレに何かあった時に心配なので、なるべく金は使わせたくない。


 アリス先生やマリーナは戦う力があるので、生きていくのは大丈夫だと思うんだけど、レイラは再就職とか面倒な話になりそうだから心配だ。

 優秀なんで日本だったら心配ないけど、この世界だとコネのほうが重要そうだし。


「旦那様はまた王城に呼ばれそうだし、ドレスとかも必要になりそうだわ」


「私はメイドなので~、メイド服さえあれば大丈夫ですね~」


 ドレスも一応買っておいたほうがいい。

 メイドを連れて行けない場合とかだと、普通にドレス着てパーティーメンバーだと誤魔化せばいいし。


「結衣は魔法少女になりたい! 叔父ちゃん買って?」


 魔法は使えるから、魔法少女と言えば魔法少女だけど、変身とかないと、なんか違う気が。

 魔法少女風の防具を作って貰おうか。魔法の布を使えば防御力も期待できる。


 ちょっと金は掛かるけど、全員分の戦闘服を魔法の布で作って貰った。

 みんなでデザインを考えて、結衣は青と白を基調にした魔法少女。

 アリス先生は黒と白を基調にしたゴスロリ、マリーナは黒いミニスカートと白いオーバーニーソックスを、レイラはメイド服を注文した。


 オレは近接戦闘をするので高い布は使わず、動き易さ重視の武道着に、靴を頑丈な魔物の皮で作って貰うことにした。

 戦闘服と普段着を一通り注文したあとは、オレの行きたかった煌力製品屋に向かった。

 

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