表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

102/245

今後の計画

「……美味しかったよ?」


 アリス先生に向けてフィーリアが話し掛ける。


「慰めてくれてありがとな~、フィーリア。でも無理に褒めるな。食べてくれたのは勇人とフィーリアだけじゃないか……はあ~」


 レイラは笑顔でスルーしてたし、マリーナに至ってはハッキリと拒否したからな。

 優しい結衣でさえ目を逸らして、話題にもしなかったからな。

 夫のオレも頑張って食べたくらいだ。愛があってもつらかった。


「前に食べてたやつより、苦い味以外の味がして美味しいよ?」


 心底不思議そうな顔で答える。

 ほんとに悲惨な食生活だったんだな。


「フィーリア……これからは失敗しないで、美味しい物を食べさせてやるからな! 花嫁修業を続けるから、絶対に上達してみせるぞ!」


「今日のも美味しいよ?」


 感情的なマリーナは、フィーリアの境遇を思ってか泣いている。

 レイラがそっとハンカチを差し出した。


「別に泣いてないんだからね! 花粉症よ!」


 誤魔化しかたが酷いな。あれで誤魔化せると思ってるんだろうか?

 あれ? フィーリアがいない。


「リアお姉ちゃんがいなくなっちゃった」


 結衣も気付いたようだ。

 相変わらず神出鬼没な子だな。


「お散歩にでも行ったんじゃないか?」


「リアのことだし、食後の運動に行ったのかもね」


 元暗殺者の習性か、太ると隠密行動ができなくなると言っていたしな。


「でも、食器は片付けてくれてますよ~。優しい子ですね~」


 200歳超えてるけど、エルフにしたら子供の年齢だ。フィーリアも子供扱いが気にならないらしいから、自然とみんな子供扱いするな。

 城の中は安全だし、フィーリアもそのうち戻って来るだろう。オレたちも食器を片付けよう。




「それでだな。フィーリアがいないけど、みんなの意見を聞いておきたい。どんな家が欲しいか決めよう」


 フィーリアは戻って来てから聞けばいいか。


「お家が買えるようになったの?」


「そうだぞ。結衣にはお姫様みたいな部屋を作ってやるからな」


「ありがとう!」


 家族に会えないからか、結衣は家族の象徴として家を欲しがってるみたいだし、仮にオレが死んでも、家と財産さえあれば生きていけるだろう。オレもいろんな意味で家が欲しい。


「私は剣の訓練場があれば大丈夫! そんなに裕福な家柄じゃないし、部屋の大きさとかは気にならないわ」


 マリーナの実家は男爵家だったな。

 五等爵の1番下だし、そういうもんなのかね?

 結婚について、マリーナの両親に文句をつけられないように、立派な部屋と訓練場を作ろう。念のために。


「アタシは書斎が欲しいぞ!」


「アリスお姉ちゃんって本は読まないよね?」


「読まないけど大人っぽいから欲しいんだ。アタシの給料だとワンルームのマンションが精いっぱいだったから、寝室とは別に大人っぽい部屋が欲しい」


 夫婦用の寝室とみんなの分の個人的な寝室も作ろうか。

 あとは来客用の部屋を10個ぐらい作って、子供ができた時のために余分な部屋を20個ぐらい作ろう。


「レイラは家の希望はあるか? いずれ結婚するんだし、それも考慮に入れて考えてくれ」


「そうですね~…………キッチンが2つくらい欲しいですね~。普段の食事を作るための小さいキッチンと~、パーティー用に大きなキッチンがあると便利です」


 パーティーなんか開く予定はないけどな。

 それはともかくとして、大きなキッチンがあれば大掛かりな料理もできるかもな。


「ユートさまは活躍すると思いますから、貴族の方との付き合いも必要になってくると思います~」


 そうなるとパーティーしないとダメなのか? 庶民のオレには因果関係が解らんけど。

 でも権力者は味方にしておいたほうがいいな。面倒なことにならないように、適度な距離感は必要だけど。

 さすがに街で大暴れとかはしたくないし、余計な敵は増やさずに味方につけたほうがトクだ。

 仲良くするのには、パーティーとかの交流は必要か。王都には貴族がいっぱいいるし、避けては通れないだろう。


「結衣は大きい部屋でいいか?」


「うん! 可愛い家具は買って貰ったし、楽しみ~!」


 寝室と勉強部屋、あとは友達と茶会するような部屋も作ろう。お姫様みたいな生活をさせてやりたい。

 実際のお姫様は窮屈な生活をしてると思うが、公務とかしつけとかを抜いたお姫様生活だな。


「オレもトレーニングルームは欲しい。あとはテレビを見る部屋も作ろう。ゲーム部屋も欲しい」


「ゲームって言っても、テレビゲームはないぞ? チェスとかビリヤードとかか?」


「そうですね。あとはポーカーの台とかルーレットとか」


「カジノみたいね。旦那様ってギャンブルしたかしら?」


「いや、ギャンブルには興味はないけど、他に遊び道具らしい物もないし」


 遊ぶための部屋は、たとえ使わないにしても、精神衛生的に欲しい。

 あるだけで人間らしい生活ができそうな気がする。なんとなくだけどな。


「私は防御力の高い――――」

「うわっ!」

「きゃあ!」

「リアお姉ちゃん! びっくりした~」


 レイラ以外は気付かなかったか~。

 今回、フィーリアは気配を消してなかったのにな~。


「……? 何で驚くの? レイラお姉ちゃんのいいつけ通りにドアから入ったのに」


「静かに入ってきすぎだぞ? まったく気付かなかった」


「話の最中(さいちゅう)で気付かなかったわ。姉様はともかくユイちゃんと同レベルの察知能力なんて……私ヤバくない?」


 フィーリアはいちいち2人にショックを与えるな~。


「私の希望は防御力の高い壁と門が欲しいよ? 時間を稼いでる間に私が迎撃するよ」


 護衛の観点からの希望か。

 まだ個人的な希望は言わないか。


「部屋に欲しい物とかないのか?」


「……武器は家のいろんな所に隠しておきたい。どこで襲撃されても大丈夫になるから」


 それも護衛の考えだろうに。

 フィーリアの武器は指輪に入れてるから大丈夫だけど、警備の人間も雇う必要があるだろうから、武器を隠しているのは便利かもな。


「なんか物騒な家になりそうだな~。勇人、メイドをいっぱい雇って華やかにしよう! 警備員も女性冒険者とかにしたら、武器を飾っても華やかになるぞ!」


 家の警備に華やかさって必要か?

 まあいいか。男としては反対する理由はないし、お嫁さんたちが快適に暮らせることが優先だ。

 女の子ばかりだと、オレの息が詰まりそうだけど。家の使用人のことはレイラに任せるかな。


「……そういえばフィーリアは何してたんだ?」


「お兄ちゃんに報告があるよ?」


 また情報収集に行ってたのか。


「えっとね、お兄ちゃんが結婚したんじゃないかって噂になってたよ? 王様も部屋で悩んでた。うちの娘の何が悪いのかなぁって」


 ジェスチャーで王の様子を再現しながら報告してる。

 あと、王のプライベートルームには入ってやるなよ。


「王女様も、メイドさんに、まだ行き遅れではありませんって慰められてたよ?」


 まあ立場的に第二夫人とかにはなれないだろうから、オレとの結婚は望み薄だと感じてるのかもな。

 オレの立場が上にならない限りは、王女との結婚はないだろう。


「王女様はお茶を飲みながら冷静な顔をしてたよ? 体はプルプル震えてたけど」


 だからプライベートを暴いてやるなよ。次に王女に会ったらどんな顔をすればいいんだ。


「フィーリア、なんか罪悪感があるから、そういう話はアタシに聞こえないようにしてくれ」


「……? わかったよ。お兄ちゃん、耳かして?」


「まだあるのかよ? オレも聞きたくないな~」


 フィーリアはトコトコ歩いて来て、オレの耳に口を近付けた。


「あのね? お兄ちゃんが売ったドラゴンのお肉がおいしそうだったよ?」


「それは内緒にする必要はないぞ」


 何がよくて何がダメかの判断はできないか。

 オレたちのぶんもあるし、今度食わせてやろう。


「それと、新婚旅行に行くんだけど、誰か行きたい場所はないか?」


「私の実家は父様が従軍してるだろうから、結婚の時に一緒にしたほうがラクだと思うな」


「私は実家は観光には向いてないですし~」


 特にレイラは、オレのメイドになるまで、実家と王都しか行ったことがないらしい。


「そういえばフィーリアの実家は?」


「両親は殺されたけど故郷は残ってるよ?」


 また地雷っぽいものを踏んでしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ