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弱弱しくても龍ですから  作者: ハラコ
6/6

実はあなたは

 なるべく主人公目線で書いていますので、ところどころ不思議な点があるかもですがご容赦ください

「・・・もしかして、あの伝説の・・・」


 そう言いながらシャリーは俺に近づいてくる。正直離れてほしい!ていうか「伝説の・・・」じゃないから、離れて―!!!


「伝説の・・・?」

「そう!伝説のドラゴンスレイヤー!!♡」


 「ドラゴンスレイヤー♡」じゃないよ!そんなに目をらんらんとさせてなんなんですか⁈こんなに近づかれたら今にも鼻血が出そうなんですけど⁈


「ドラゴ・・ンスレイヤー・・って何なの?」

「あるおとぎ話の主人公なんだけど・・・龍に対してたった一人で相手したり、数万の竜たちを一撃で壊滅させたり、またあまりの強さに大地を割ったとか、山を何個も更地に変えたとか♡

 まぁ、いろいろあるんだけど~。とんでもない力を誇ったのがドラゴンスレイヤーだってことよ☆」

「いや、別にそんなんじゃ・・・・ないんだけど・・・」

「そんな謙遜しなくて大丈夫よ~♡言いふらしたりしないから☆」


 なんだか、会話をするのもめんどくさくなってきたなー。本当は龍なのに、まさかの龍を殺す奴と間違えられるとか・・・。死にたくなってくるんだけど~~。


「はぁ~~~。まぁいっか」


 俺は考えるのも嫌になってきたから、思考を停止させた。

 どうせこんな俺が何を言ったところで、目の前にいるきらびやかな美少女にはなにも響かないだろう。所詮、俺の存在価値なんか塵芥・・・。何かをしてもしなくても世界の理には影響を及ぼさない・・・。


 そんなふうにシャリーとの会話そっちのけ状態にしていると突然、胸に柔らかいものが『むにゅうっ』と引っ付いてきた。俺はこの時本当の意味で天国というものを文字どおりその手に感じながら思考が停止した。

 視界が真っ赤に染まる・・・。体から力が抜ける・・・。だが、俺の体の一部分だけものすごく力がこもっていた・・・。

 慌てた俺はすぐさま力のこもったある部分を抑えながらシャリーから距離を取った。シャリーがすごくにやにやしている。恥ずかしすぎて耳まで赤くなっているのが自分でもわかるくらいだ。


「リューキおじさんってうぶなんだね~~~♡きゃはっ♡」

「「きゃはっ♡」じゃないよ!!危うく心臓止まるかと思ったよ!!ああ~~~こんな塵みたいな俺に対してこんなご褒美が目の前にあるからって油断するんじゃなかったーー。てか年頃の娘が何やってんの!!俺がもっと危ない人だったらシャリー今頃やばいからね!!!俺みたいなこの世で最底辺の塵じゃなかったらコロリだからね!!大人の階段、100段くらい一気に飛ばしちゃうくらいやばいかんね!!!」

「お~~~。こんなにしゃべってくれたの初めてだね~~。うれしい~~♡」


 シャリーはそんなことを言いながら、おしりをくねくねしている。時折俺の方をちらりっと見てはにやにやしている。正直、今すぐドロンしたい。


「けど元からただものじゃないってわかってたんだよね~~。だって、普通の人なら私に近づいただけでメロメロになっちゃうんだもん!

 それに、気絶してた時に見ちゃったんだよね~。首元にある鱗!それって人族じゃないっていう証でしょ⁈ますます気になっちゃって♡」

「そ・・そんなに興味を引くようなことなの・・・かい?種族ごとに特徴の一つや二つ・・・必ずあると思うんだけど・・なー」


(鱗があるのは龍だからだって言ったらきっと驚きすぎて気絶しちゃうだろう。俺ごときのせいで・・。それに、昔絶滅させられた龍種が実は生き残っていたなんて知れたらきっと逃亡生活が待っているに違いない!それならまだしもシャリーがいきなり襲ってくるかも・・・。そんなの無理!!絶対無理!!

 まあ、こんな美少女に殺されるなら幸せかもしれないけど・・・やっぱ無理ーー!!)

 

 そんなことを考えているリューキをよそにシャリーも考えていた。


(あんなに強いのに間の抜けてるところがあるな~。偶にぼーっとしてる時があるけど・・・スキがない・・・。これが伝説のドラゴンスレイヤーの力なのかな?

 ものすごく気になるけど・・・誰でも人に知られたくないことってあるよね!☆私、待てる女だから!!待てちゃう女なんだから!!)

 

 お互いに意識している点は違うが、お互いのことがある意味で気になりすぎてぎくしゃくしてしまったのは仕方がないかもしれないだろう。

 たとえ自分たちの周りが亜竜の血で真っ赤に染まっていたとしても、亜竜の死体から発せられる匂いから他の魔物が寄ってきたとしても気にも留めていないのはこの二人ならではであろう。


「そういえば、リューキおじさんって耐性系のスキルでも持ってるの?」

「スキル?・・・って、何?」

「え⁈知らないの?なのにあんなに強いなんて信じらんない!」


 リューキは無い知恵を絞って考えていた。


(スキルって何???知らないとまずい系の情報???これはまずい。俺みたいな塵みたいなやつがこんな常識も知らないの?みたいな感じに思われてしまうゥゥゥゥゥ。何とか切り抜けねば!)


(ほんとに知らないのかな?それとも自覚してないだけとか?不思議でしょうがないな~~)


 リューキもシャリーも一度考えるとなかなか話さないタイプのため沈黙が続く。

 周りでは凶暴な魔物たちがうようよ集まってきているというのに・・・。




 


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