プロローグ00
この世界は好き…?
そんな声が聞こえた。
耳障りな雑音が存在すること自体信じられなくなりそうな程、澄みきった声。
嫌いだよ…本当に大嫌いだ。
俺は身体中に溢れる黒い気持ちを吐き捨てる。
そう……なら…
何にも形容できないぐらい、それは俺の心にスッと染み込んできた。答えを拒ませなかった、一つの問いかけ。
本心に聴いてみたら案外かんたんなのかも知れないな。ただ誤魔化し続けてきただけで。
君の望む世界が欲しい…?
§
「ウミ!そいつを!」
腰上で揃った金に近い栗色が、叫んだ少女の手の動きにあわせ大きく跳ねた。
「わかった…!」
目の前にいる男を捕まえるべく漠然と疾走していた少女は、相棒の指示を承けるとスライディングしながら急ブレーキをかけてジャンプした。同時になびく髪は蒼穹のアクアマリンブルー。ふりかえらずにはいられない、絶世の美少女…ここが現実であれば、の話だが。
その少女は宙に飛びこみなから、開いた手のひらを左胸にかざした。
すると、魔法のように彼女の周りに深い青い光が現れたと思いきや、光速で天を貫き次の瞬間巨大な魔法陣が開いた。魔法陣が展開して、左胸に置かれた手を今度は、ライフルを構えるようにつきだすと2秒とかからずに指先にまとう光のもやが晴れて彼女の武器がそこにあった。
まるで深海の水を注いで形づくったような銃のようなものはパシャっとみずみずしい音をたて手におさまる。しかし、長い銃身がゆらゆらと揺らめき完全な銃とはなっていなかった。
でも、少女は目に焦りの色どころか未完成のそれを強く握った。
「あら、今日は調子が悪いのですか?」
金髪の少女がそういうと、
「ちょっと…」
と無愛想に返す。
彼女はゆっくりまぶたをおろすと、精神を集中させた。…私は強か、私は選ばれるんだ…。
己のなかで銃は完璧な姿を見せた。
「…っ!」
彼女だけの威力とスピードを重点において、特化した海の神の力を受けている、神器。
大きく重いはずのライフルを板についたように傾け氷に似た艶を放つスコープを覗く。
照準を合わせる間もなく、彼女は冷徹な目でトリガーを力一杯引き絞った。
彼女程の実力があれば、必ず当たる。
それが、この世界の掟。
ごめんなさい
わけわかめですよね!
ええ魔法です。
魔法陣で自分だけの武器を創る、そして自分の過去と戦う物語です。
読み進めてもらえば、少しずつ明らかになる…はずです!
設定やイラスト←笑に2年ぐらいかかってしまっているので、濃く独り言の多いものとなっています。
コロコロ場面の主人公が変わります…正体はのちほど!