プロローグ
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「嫌だっ‼︎‼︎こんな世界、違う違う違う違う違うぅぅぅ…」
どこか遠く霞んで見える記憶だ。穴だらけな服を着た1人の少年が頭を抱えて泣き叫んでいる。そんな時、ふと別の声が聞こえた。少年の頭の中からだろうか。
『落ち着け』
「こんなのが落ち着いてられるかっ‼︎‼︎」
少年は、その声を振り払うかの様に頭を振り続ける。
叱るかのようにその声は続けた。
『俺を呼び出したのはお前だろうが。お前は俺の言う事を聞いとけ。』
「うぅぅぅぅぅ…」
『いいか?お前は、もう一度この世界を創り直す事が出来る。その力を使ってな。だが…』
「だがなんだっ」
その声は声を詰まらせたが、言葉を続けた。
『お前の記憶は全て消え、この世界の存在自体も消える』
「……は?」
少年は、一時言葉を失った。
「消えるってなんだよ…。あの子は?あの子の事は誰が覚えてられるんだよ…?」
『…それ以前に、,,あの子’’はもうこっちにはいないだろ。覚えるも何もない。』
その声は、急にやけに冷たく少年の頭で響いた。
「でもっ『でもじゃない。この世界はもう無いも同然だ。お前が願えば、また世界は創り直される。お前次第だがな。』
機械の様に言葉を紡いでいく声
「ううっ」
『どうするんだ?』
「僕はっ、僕はっ…‼︎‼︎」
聞かれる前に、少年の心は決まっていた。
「もう二度とこんな事は繰り返させたくない…絶対、絶対終わらせてみせる‼︎もう一度、世界に光をっ……‼︎‼︎‼︎」
その瞬間、少年の体からは燃えるような光が溢れて出ていた。
『ほぉ、そうか。あぁ、忘れてたが…』
その時にはもう、世界は崩れ始めていた。
『まぁ、いいか。向こうでも、いつかは絶対に思い出してよ。せいぜい頑張ってよ。次の【ユーイ】。』
そう言い終わらないうちに、世界は白に包まれる。
まだ、何にも汚されてない純白に………………………