戦争終結?
アース
プラネット軍の長で、アース族の先祖。位置反転のスキルを持つ。ガロロンの弟?
これから能力のことはスキルって書きます。前みたいに能力って感じじゃなく。
……俺は今とてつもないパニックに陥っている。少し状況を整理したいと思う。
プラネット軍との戦争になり、1、2ステージを辛勝し、3ステージの変な子供と会い、4、5、6ステージをぶっ飛ばし、最後の部屋にやって来て、そんで軍の長が出てきて………
そいつが俺達の軍の長の弟で。
「お姉ちゃん!」 「な…何?」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん!!」
…ガロロンも笑ってはいるが(苦笑い)、内心相当パニックだろう。
「おぉい!!ちょっと待てぇ!!」
アースの猫のようななつきっぷりにやはりこの男、バルカンが黙ってはいなかった。
「さっきから…黙って見てりゃあ、姉ちゃん姉ちゃんって調子にのってんじゃねぇよ!!」
すると、両腕をマシンガンとバズーカに変型させ、乱射しながら続ける。
「そりゃあガロロン様は!?可愛いし!?可愛いし!?天使だし!?女神だし!?ついうっかり実の姉でもねぇのに!?姉ちゃんって呼んじまうこともあるだろうけどよぉ…だからって…」
そして肩から巨大なバズーカ砲を出して、イレイザーブレイクをぶちかます。乱射しながら。
「だからって頬ですりすりして抱きつくってのはねぇだろうが!!俺にもやらせろよ!!」
もういいよッ!!あんたの弾がこっちにも飛んできてんだよ!!こっちの身にもなれよ!!それとキモいよ!!マジで!!長いし!!可愛い2回使ってるし!!
「え……と。全然…状況が飲み…込めなくて。あはは…アースって言ったっけ?あんた本当に私の弟?人違いとかじゃない?」
「本当だよ!!髪の色、身長、匂い、目、耳、顔!!どこをどう見てもお姉ちゃんだ!」
うわぁ…こいつもあぶない奴だ。色々と。端から見たら完全なるシスコンだぞ…んでバルカンのことは無視かよ。
「おい無視すんなぁぁーーー!?」
するとバルカンが、アースの目の前まで目にも止まらぬスピードで近づいた。
まさかゼロ距離!?こっちに当たったらどうす───
「うおぉあぁぁぁあ!!ジェットストライクぅぅぅ!!」
!?イレイザーブレイクじゃなかったみたいだ…ふくらはぎ当たりからターボエンジンが出てきて、アースのこめかみをぶち抜く…どうてもいいとこで新技を出すな、バカ野郎。
「さっきからなんなの…?僕達の邪魔ばっかりして…妬いてるの?」
さっきぶっ飛ばしたはずのアースがいつのまにかバルカンの背後にいた。
「………なぁ~る…スキル持ちか…?ライン、調べ──」
「ああ、いいよ調べなくても。自分で言うからさ…」
急に威圧的な雰囲気に戻った…?いちいちめんどくさいな…
「僕のスキルは…位置反転、さ。人物を絞って位置を反転させることもできる。反転する距離だって中心を変えれば楽に変えられる…ってわけ」
ほら、こんな風にね。と言いながら自分の位置を変えたり、他の奴の位置を変えたり、いろいろしてやっている。
「おーい。思ったんだけどよ~。これってもう戦争する意味なくね?」
ずっと考えていたギアが提案する。
「だって…軍の長がガロちゃんの弟って分かったんだったら…無理に戦うことないよね?もう終わりでいいんじゃね?どうよ、アース…だっけ?」
「確かにね…じゃあ戦争なんてさっさと終わりにしようか…大事な話もあるしね…」
ふぅ…やっと終わりか…思った以上に疲れるな…戦争って。 でも思ったより死人とか出なかったな…
「いやはやぁ…一件落着…かな?アース。よくやったじゃん。」
………!?誰だ?さも今までそこにいたかのように喋り出したぞ?
「っ……サン……!?」
「ヤッホー♪久しぶりー。ラステイル軍のみなさんははじめましてー。お日様サンサン、今日も暑いねー。サンでーす。」
その自己紹介はやめた方がいいと思うな…。
「ねえ、誰なのこの人?」
ガロロンがひそひそ声で尋ねる。
「この人は…サン。」
「族の本当の先祖だよ。」
戦争戦争って言ってるけど…戦争じゃないんじゃ…と最近思ってます。