クローバー
小説半分、詩半分という感じの作品です。
「鈴の音」のような作品が苦手だった方、心が儚くていらっさる方、ご注意をば。
大丈夫だよ!な方、せっかくですので情景をイメージしながら、味わいながらお読みください。そのお手伝いは精一杯させていただきます。
では、ごゆっくりとどうぞ。
あなたがずっと探し続けてるものがある。
それは、四ツ葉のクローバー。ただ闇雲に、それでも探していればいつか見つけられるだろうと根拠のない自信だけを身に付けて、あなたは野っ原をかき分けた。
毎日、
毎日。
そしてある日、涼しげな風吹く午後。
あなたは見つけた。
向こうで気持ちよさそうにそよいでいる、小さなクローバー。
いつも探してる所からは少し離れてて、でもどうして今まで見つけられなかったのだろうと不思議に思う。そこには一本のクローバーしか生えていない。最近芽を出したばかりとか、そういうこと?
でも、そんなことはどうでもいい。やっと見つけられたことがうれしくて、あなたはそのクローバーから目を離すことができない。
葉の数は?――――――ちゃんと4枚ある。
嬉しい。
あなたは駆けだした。
早く家に持って帰ろう。
しかし
走りながらあなたは、自分の勘違いに気づく。
本当は五ツ葉であることに。
ホラ、あのクローバーをよく見てよ。葉っぱじゃないでしょう?何に見える?
そう、右手。
!
何故近づくまで気付かなかったのだろう。地面から伸びるそれは、人の手以外の何モノでもなかった。
空に手をのばして、そのまま時を止めてしまったかのように、その手は固まっている。
ピクリとも動かない。
恐ろしい光景がそこにはあった。
何も見なかったことにして逃げ出そうかとも思った。しかし、その無垢な右手がひたすら気がかりで、あなたは目を逸らすことすらできない。
なんて異様で受け入れ難く、悲しげな光景だろう。
ふっと香った草の匂いで、あなたは我に返った。
そうだ、何を迷うことがあるのか。
無視することなどとてもできない。
そして
覚悟を
決めた
呼吸を整え、あなたはゆっくりと自分の右手をのばす。この場の恐ろしさから、伸ばす手がかすかに震える。
指先で軽く触れ、そしてあなたはしっかりと握った。
手は、固く冷たい。
でもあなたが握ると、手は一瞬ピクリと揺れたかと思うとすぐ、あなたの手を握り返した。
驚きから、あなたも一瞬固まってしまう。
手は離してくれそうもない。
改めて呼吸を正し、そして勢いよく手を引っ張り上げると・・・
息をのむ音。
それは、あなた自身から発せられたものだった。
あなたはてっきり地面の中から
「誰か」が出てくるのだと思っていた。
否。
あなたしか、そこにはいない。
ふと思い出したように、あなたは自分の右手に視線を落とす。
その手には、ただ
五ツ葉のクローバーが握られて・・・
そして
この不自然な空間に変化が生じる。
その変化に気付いたあなたは青ざめ、ためらうことなく逃げ出した。
振り返ってはいけない。
右手が埋まっていた、その根元からは
血の円陣が
広がる、
広がる。