表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

公園の鏡

作者: 阿山利泰

私は自分が嫌いだ。


だから自分を写す鏡も嫌いだ。


人との差を認識してしまうから。


だから私は鏡も嫌いだ。



私はいつもの公園で、

コンクリートでできた段差の高い階段の三段目に座っていた。

その階段はその高さを利用した滑り台が横に設置されている。

見晴らしがよく、居心地もいい、

私のお気に入りの場所だ。

今は午前中この暑い季節まだ暑くなる前の時間だ、

カラッと乾いた空気に穏やかな風が吹く、

公園の中央にある一番大きな木がざわめく。

今日もいい天気になりそうだ。

地面がチラチラと光っているのに気付いた、

見るとちくちく眼に刺さるまぶしい光だ、

まだ無人の公園に何かが落ちている。

なんだあれは?

遠目からは眩しくて確認できない。

何となく気になった。

ポテッポテッポテッと階段を降り、

近づいて何か確認しに行った。

階段と大きな木との中間の距離、

手鏡だっ、ピンク色の取っ手に花柄の手鏡。

可愛らしい鏡だこと。

すす汚れているが、十分使える鏡だ。

昨日この公園で遊んでいた子供が忘れていったのだろう。

覗き込む、自分の姿が鏡に映る。


覗き込んでいる猫の姿が…。


自分のこの姿をどれだけ呪った事か。

いつ見ても酷いナリね。

その鏡を残しまた階段の上へと駆け上がる。

忌々しい自分の姿を思い出す、何も付いてない寂しい首元…

一人取り残された手鏡が青い蒼い空を映し出す。



私は自分が嫌いだ。


だから自分を写す鏡も嫌いだ。


『人との差』を認識してしまうから。


だから私は鏡も嫌いだ。

はい


読んでいただいてありがとうございます阿山利泰です。


前作と言うべきか、公園の月を読んでると『私』がバレバレの作品で面白さ半減ですが

短編なのでどっから読んでも驚きがあるように毎回『私』は伏せるつもりです。

切り離しても楽しめるようにしたのですが

なかなかそこまでの技量が無く、伏線は回収したく

連載に載せるべきだったと後々後悔しています。

短編が繋がっていても滑稽なので”次”か”次の次”に締めたいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 常に辛口の評価をしてる者です。あまり点数は気にしないで下さい。 他のシリーズは読ませて頂いてないので、十分インパクトがありました。文章も落ち着いてて力量を感じます。 ただ、あまりに短すぎて内…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ