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第9話:SNSの反応

夕暮れ、ユイはアパートの窓際に座り、スマホの画面をじっと見つめていた。

今日の街中での小さな事件――浮かんだコーヒーカップ、掌から零れた光、飛び跳ねた紙――すべてがSNSで拡散されていた。

通知の数が画面いっぱいに膨れ上がる。最初は「すごい!」「かわいい!」と賞賛のコメント。だがその下には、嫉妬や誤解の声も混じる。

「狙ってやってる」「あざとい演出」「他の人の邪魔になってる」

胸の奥がひりつく。嬉しい気持ちと、同時に責められる恐怖。掌を握りしめるたび、光が微かに揺れる。

「……私は、楽しみたかっただけなのに」

そこに、ミナからメッセージが届く。

『ユイ、大丈夫だよ。私、動画見て鳥肌立った!あなたの光、すごくきれいだった』

文字だけなのに、ユイの心は救われた。ミナの存在は、暴走する光の中で唯一の支えだった。

しかし、その夜、ライバルからのDMが届く。

「羨ましいな。でも次は負けないから」

胸の奥に緊張が走る。嫉妬も競争心も、否応なく心を刺激する。

「……負けたくない」

夜の街を見下ろしながら、ユイは小さく決意をつぶやく。

「私は私の光で、私の世界を生きる」

掌から零れる光が、まるでその決意を祝福するように淡く揺れた。

喜び、恐怖、嫉妬、友情、期待――すべてが混ざり合ったこの夜、ユイの世界は少しずつ形を変えていくのだった。

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