第22話:街を巻き込む大事件と力の本格覚醒
昼下がりの街。ユイは仲間とともに歩きながら、巻物の紋章が示す次の目的地に向かっていた。
その瞬間、遠くのビル街から大きな衝撃音が響く。人々の叫び声、避難する群衆、混乱する交通――街全体が一瞬で騒然となった。
「な、何が起きてるの?」
ユイは胸が高鳴る。掌の光が自然に強く反応し、周囲の建物や車の影に触れる。
「ユイ、私たちが止めるしかない!」
レオンが前に出る。ミナもユイの手を握り、強い意志を示す。
街中に出現したのは、巨大な魔獣の群れ。光を帯びた体躯がビルの影を揺らす。人々は逃げ惑い、ユイの胸は恐怖で締め付けられる。
「……やらなきゃ!」
深呼吸し、掌に光を集中させる。昨日までの覚醒の力、代償と恐怖を乗り越えた経験が、今ここで力を支えていた。
光は掌から街全体に広がり、魔獣たちを押し戻すように反応する。暴走の危険もあるが、ユイは恐怖に打ち勝ち、力を制御する感覚を初めて完全に掴んだ。
「ユイ、やれるぞ!」
ミナの声が力を増幅させる。レオンも掌から光を集中させ、ユイと同調する。三人の力が融合し、街を覆う光の壁が形成される。
魔獣は光に押され、次第に後退。建物への被害も最小限に抑えられた。ユイの胸には達成感と共に、まだ残る恐怖の余韻が残る。
「……できた」
掌から光が静かに消え、街は再び静寂を取り戻す。ユイは深く息を吐き、仲間と視線を交わす。
「私たち……やったんだね」
三人は街の人々の安全を確認しながら歩く。恐怖と責任、力の代償を体感した今、ユイの心には本格的な成長と覚醒が刻まれていた。
夕暮れの街、光に包まれたユイたちの影は、次なる試練に向かう決意を静かに語っていた――そして、物語は最終章へと加速していくのだった。




