表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/20

第20話:冒険の試練と初めての危機

広間の奥に現れた扉を開くと、薄暗い洞窟が続いていた。

「……ここを進むのね」

ユイは掌に光を宿し、慎重に一歩を踏み出す。衣装の布が柔らかく光り、身体の動きが軽くなる感覚が頼もしい。

しかし、洞窟の中は予想以上に不安定だった。天井の岩がところどころ崩れ、地面は滑りやすい。掌の光を意識しながら進むが、恐怖が心に影を落とす。

「気をつけて……!」

ミナの声に応え、ユイは光を小さく制御し、足元の岩を照らす。

突然、地鳴りが響き、洞窟の奥から巨大な影が現れた。古代の魔獣のような姿で、目から赤い光が放たれる。

「うわっ……!」

恐怖と驚きで掌の光が暴走し、岩や小石が宙に浮く。周囲が光で揺れる中、ユイの胸は締め付けられるように痛む。

「ユイ、落ち着いて!」

レオンが冷静に声をかける。ミナも手を握り、支える。

「私たちがいる。だから、大丈夫!」

ユイは深呼吸をし、光を掌の中に取り戻す。恐怖と戦いながらも、昨日の覚醒で得た力の感覚が少しずつ戻ってくる。

掌の光を一点に集中させ、岩や魔獣に微かに反応させる。魔獣は驚き、目を細め、動きを止めた。ユイの力は、まだ完全ではないが、制御できることを証明していた。

「……できた」

胸の奥に達成感が広がる。恐怖に押し潰されず、仲間とともに初めての危機を乗り越えた瞬間だった。

洞窟の奥には、さらに強い光を放つ紋章が見え隠れする。巻物の指し示す次の目的地――未知の世界の試練は、まだ始まったばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ