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第16話:温泉と水着の午後

週末、ユイとミナ、そしてレオンは街から少し離れた温泉施設にやってきた。

「やっと来れたね、ユイ!」

ミナがはしゃぎながら手を叩く。ユイも小さく笑顔を返すが、胸の奥にはまだ昨日の暴走事件の余韻が残っていた。

脱衣所を抜けて露天風呂に向かうと、湯気が柔らかく立ち込め、温かい水の香りが漂う。

「ふぅ……気持ちいい……」

ユイは肩まで湯に浸かり、深く息を吐く。掌から零れる光もなく、心が少しだけ解きほぐされる。

水着に着替えた後、屋外のプールに移動する。

ミナはビキニ、ユイは淡い青のワンピース水着、レオンはタンクトップとショートパンツ姿。

「水着……似合ってるよ、ユイ」

ミナの言葉にユイは頬を赤らめ、照れくさそうに微笑む。

プールでは小さな競争を始める。水中で手を伸ばし、跳ね、水しぶきが飛び散る。

「や、やめて! ずぶ濡れになる!」

笑いながらも必死に逃げるユイ。ミナとレオンは楽しそうに追いかけ、まるで日常の非日常を共有しているかのようだった。

休憩中、露天風呂に戻った三人は夕日を眺める。

「今日だけは、力のこと忘れてもいいんじゃない?」

ミナが微笑む。ユイは小さく頷き、心が少し軽くなる。

レオンは少し離れた場所で静かに湯に浸かりながらも、鋭い目でユイを見守る。

「力を忘れるな。ただ、今日だけは楽しむのも悪くない」

湯気の向こうで、三人の影がゆらりと揺れる。友情、絆、信頼――力だけではなく、心の支えも確かに存在する。

ユイは心の中で小さく決意した。

「私、もっと強くなる。でも、こうしてみんなと笑う時間も大切にする」

夕焼けに染まる温泉の水面は、光と影が混ざり合い、まるで彼女たちの物語そのもののように揺れていた。

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