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第15話:街中での大事件

昼下がりの街、ユイは魔法剣士の衣装に身を包み、掌に微かに光を宿して歩いていた。

今日は、新しい力を試すため、慎重に外を歩くことを決めていた。光は掌に収まっており、制御できる感触があった。

「……よし、今日は大丈夫なはず」

しかし、通りの向こうで突然子供が車道に飛び出した瞬間、ユイの心臓が跳ね上がる。恐怖と咄嗟の判断が入り混じり、掌の光が暴走を始めた。

「だめっ……!」

光は掌を飛び出し、街灯や看板を揺らし、周囲の人々が驚きの声をあげる。車のクラクション、子供の泣き声、ざわめく通行人――すべてが混ざり合い、ユイの胸を圧迫した。

「……怖い、止められない!」

冷たい汗が額を伝い、視界が歪む。光はまるで感情そのものを形にしたかのように、街角に混乱をもたらす。ユイは膝をつき、必死に掌を握るが、力は完全に暴走していた。

その瞬間、ミナが駆けつけ、ユイの腕を掴む。

「ユイ、落ち着いて! 私がいる!」

同時にレオンも現れ、掌から零れた光を制御するように手を差し伸べる。

「深呼吸だ、ユイ。恐怖に飲まれるな」

二人の支えにより、ユイはようやく光を内側に戻すことができた。街は少しの混乱で済んだが、彼女の心は震え、初めて本格的な恐怖を体感する。

「……こんな力、まだまだ私には制御できない」

その夜、アパートに戻ったユイは、握りしめたアクセサリーを胸に当てながら涙をこらえる。恐怖、罪悪感、責任感――すべてが胸を締め付ける。

「でも……私は、諦めない」

掌に残る微かな光が、今日の教訓と決意を映し出す。能力の危うさと責任を知ったユイは、成長と恐怖の狭間で、初めて本当の意味で自分の力と向き合ったのだった。

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