放課後の告白
放課後の体育館裏。
夕陽の残り光が、床にオレンジ色の影を落とす。
悠真はベンチに腰かけ、里奈が差し出したスポーツドリンクを受け取った。
「ありがとう」
「うん……悠真くん、ちょっと話したいことがあるんよ」
里奈の声はいつもより少し震え、指先は緊張で小刻みに揺れとった。
悠真は軽く微笑んで、彼女の目を覗き込む。
「……なんじゃ?」
「うちは…わし、悠真くんのこと、ずっと好きなんよ」
その言葉に、悠真の手が一瞬止まった。
心臓が少し高鳴るのを感じながら、彼は深呼吸。
「里奈……わしも、気持ちは分かっとる」
「……ほんま?」
「ほんまじゃ。でもな、まだ美咲とも気持ちがはっきりせんけぇ、答えは出せん」
里奈は一瞬目を伏せ、そして小さく頷く。
「……うん、分かった。うちは、我慢できる。悠真くんのこと、応援するけぇ」
その真っ直ぐな決意に、悠真の胸が熱くなった。
「里奈……ありがとう」
彼はそっと手を握り返す。
その温もりが、二人の距離をほんの少しだけ縮めた。
──その瞬間、離れた場所から、微笑む美咲の影。
里奈と悠真の距離を見守りながら、
美咲もまた、心の中で小さな決意を固めていた。
「……うちは、笑顔でおるけぇ」
自分に言い聞かせるように呟いたその言葉は、
静かな夕焼けの風に溶けていった。
夕陽が沈むころ、体育館裏には三人の想いのざわめきが、
静かに交錯していた。




