距離感
夕方の川沿い、公園のベンチに座る悠真と里奈を、美咲は少し離れた場所から見つめていた。
(……え……里奈と悠真、なんで……手繋いどるん……!?)
胸の奥がぎゅっと締め付けられ、心臓が早鐘のように打つ。
美咲の頬は赤くなり、息が少し詰まる。
二人の距離は、ただの友情ではないことを示していた。
里奈が少し照れながらも悠真に寄り添い、悠真もそれを受け入れるように微笑む。
(……悠真くん……わしのことも大事って言ったのに……でも、里奈のことも……)
胸の奥で、切なさとドキドキが入り混じる。
美咲は小さくため息をつくが、涙は見せずに気持ちを整理する。
(……わし、まだ好きじゃけど……焦ったらあかん……悠真くんの気持ちも、里奈の気持ちも、大事にせんと……)
遠くで木陰から美月がにやにや見ているのに気づき、少し恥ずかしさと照れくささが込み上げる。
(……美月、見とるんか……でも、まあええか……)
美咲はぐっと唇を噛み、気持ちを落ち着ける。
悠真と里奈が手を握ったままベンチで笑い合う様子を見て、美咲は少し胸が苦しくなる。
(……でも、わし……諦めん……わしも悠真くんのそばにおりたい……)
夕陽が川面をオレンジ色に染め、長く伸びた影が二人とベンチに座る美咲に重なる。
甘酸っぱさ、切なさ、そして少しの勇気――
美咲の心の中は、全部入り混じった青春の一ページになった。
「……よし、わしも……ちゃんと気持ち伝えんと……」
美咲は深呼吸して立ち上がる。
里奈と悠真の距離に胸が苦しくなるけど、その胸の痛みが、同時に勇気をくれる――
公園の夕陽の中、三角関係は少しずつ動き出す。
美咲、里奈、悠真――誰の心も揺れながら、それぞれの青春が鮮やかに描かれていく――。




