表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
晴れの国で、恋をした  作者: 櫻木サヱ
新学期の×××

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/67

こっそり

日曜日の午後、里奈が川沿いで悠真と美咲の二人をそっと見守る中、偶然、美月も同じ場所に来ていた。


「ふふっ……あんたら、面白いことしとるのう……」

美月は木陰に隠れながら、にやにやと笑みを浮かべる。

(……悠真と美咲の距離……里奈の様子……全部丸見えじゃな……これはええ観察日和じゃ)


美月は目を細めて観察する。

美咲がそっと手を悠真に触れる瞬間、里奈が心の奥で複雑な顔をする。

「……ふふっ、美咲、勇気出したな……でも里奈も黙っとらんのう……」


悠真の誠実な笑顔に、里奈の頬が赤く染まる様子も、美月には手に取るように見える。

「……あんたら、ほんま青春しとるのう……でも、これがええんじゃろな……」

美月は木の影から微動だにせず、にやにやと観察を続ける。


川沿いを歩く二人、ベンチで並んで座る二人、笑い合う二人の姿――

すべてが美月には面白く、そして甘酸っぱく見える。

「……ふふふっ……悠真、わしの友達二人をこんなに翻弄しとるんか……おもろいのう」

心の中で、ちゃっかり楽しんでいる自分に気づき、さらににやにやが止まらない。


里奈が一瞬、目を伏せて息を整える。

美月はそれを見て小さく笑う。

(……里奈も頑張っとる……悠真を見つめる目がええのう……)

でも、美月は決して介入せず、ただそっとその瞬間を楽しむだけ。


夕陽が川面に映る長い影を二人に落とすたび、青春の甘酸っぱさが校庭以上に濃密に感じられる。

美月は心の中でつぶやく。

「……さて、あんたたち、どないなるんじゃろ……まだまだ目が離せんのう……ふふふっ」


川沿いを去る悠真と美咲、そして密かに見守る里奈の後ろ姿を見送りながら、美月はにやにやと笑い続けた――

友達の恋を、少し意地悪に、でも愛情たっぷりに観察する休日の午後だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ