偶然の接近
昼休み、校庭の片隅での出来事。
悠真は図書館に向かう途中、里奈が荷物を落として困っているのを偶然見つける。
「おっと、気をつけんと……」
悠真は慌てて駆け寄り、里奈の荷物を拾おうと手を伸ばす。
その瞬間、二人の手が触れ、偶然ながらも体が少し近づく――。
里奈は頬を赤くしながらも笑顔でお礼を言う。
「ありがとう、悠真くん……」
その一言で、悠真の胸がぎゅっと締め付けられる。
(……わしも、少しドキドキしとるんじゃな……)
しかし、その光景を美咲が偶然目撃してしまう。
胸の奥がぎゅっとなり、視線を逸らせない。
(……やっぱり、まだわしの心はざわつく……でも、悠真は誠実なんじゃ……)
美咲は深呼吸して、少し冷静さを取り戻す。
悠真は里奈に微笑みながら言う。
「荷物、大丈夫か?」
「うん、大丈夫……ありがとう、悠真くん」
微妙な距離の中での言葉に、二人の胸の奥が少し高鳴る。
遠くで美月が二人を見守る。
(……あんたたち、微妙に距離縮まっとる……でも、わしがおらんと面倒なことになるかもしれん……)
友情と切なさ、微かな胸キュンが美月の目に映る。
その後、教室に戻る道中も、悠真と里奈の距離は自然と近くなる。
美咲は胸の奥で切なさと少しの嫉妬心を感じつつ、自分の気持ちを整理しながら歩く。
夕陽が校庭を赤く染め、長い影が三人を包む――甘酸っぱい余韻と青春の胸キュンが静かに広がっていった。




