ごめん
夕陽が校庭を橙色に染める中、悠真は深く息を吸った。
美咲と里奈、それぞれの目が真剣に彼を見つめている――。
(……わし……二人とも大事じゃけど……どうしても、気持ちに応えきれん……)
胸の奥で迷いと痛みが渦巻く。
心の中で何度も自分に言い聞かせる。
「……美咲、里奈……わし、ちゃんと言わんといけん」
悠真の声は少し震え、でも真剣そのものだった。
美咲は息をのんで見つめる。
里奈も小さく肩を揺らしながら、覚悟を決めた目で待っている。
悠真はまず美咲に向かって言った。
「美咲……わし、あんたの気持ちはめっちゃ嬉しいんじゃ。でも……わしは今、全部の想いに応えられん……本当に、ごめん」
美咲の胸がぎゅっと締め付けられ、涙がじんわり溢れる。
「……う、うん……分かった……」
声は小さくても、心の奥では理解している。
続けて里奈にも視線を移す。
「里奈……わしも、あんたのこと大事に思っとる……でも、今は応えきれん……ほんまにごめんな」
里奈は少し驚き、でも頷く。
「……うん……ありがとう……悠真くん……」
二人に謝る悠真の姿は、真剣で誠実で、胸を打つ。
心の奥で痛みはあるけれど、これ以上二人の気持ちを曖昧にして傷つけたくない――その誠実さが、彼の胸に宿っていた。
遠くから美月が見守る。
(……悠真、ちゃんと向き合ったんじゃな……やっぱり、あんたは真面目じゃ……)
友情と切なさが混ざるまなざしで、美月は二人の関係を見守る。
夕陽が沈みかけ、校庭の影が長く伸びる。
美咲も里奈も、悠真の真剣な「ごめん」を受け止め、少しずつ気持ちを整理していく――。
(……切ないけど……これが、みんなのため……)
悠真の胸には、誠実さと少しの切なさが残りながらも、未来への小さな希望が芽生えた――。




