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晴れの国で、恋をした  作者: 櫻木サヱ
恋の始まり、方言まじり

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33/42

愛のビンタ

夕暮れの教室。

美咲は窓際に座り、沈みかけた夕陽を見つめていた。

胸の奥にはまだ悠真への想いが残っている。

(……やっぱり好き……でも……諦めた方がええんかな……)

心の中で小さな葛藤が渦巻き、手はぎゅっと握りしめられていた。


その瞬間、美月が静かに教室に入ってきた。

「美咲!あんた、何しとるんよ!」

強い口調に美咲は驚き、ハッと顔を上げる。


「美月……?」

美月の目は真剣そのもので、友情とライバル心が混ざった光を放っていた。


「何ぼ悩んどるだけで立ち止まっとんの!悠真のこと諦めるって、それ……ほんまにあんたのやり方か!?」

美月はそう言うと、美咲の肩を軽く叩いた。

その拍子に美咲は一瞬息をのむ。


「……ごめん……美月……でも……」

美咲は目を伏せて言い訳しそうになるが、美月は容赦しない。


「ごめんじゃない!諦めるんじゃなくて、戦わんとあかんじゃろ!悠真への想いがあるんじゃったら、今動かんでいつ動くんよ!」

そして勢い余って、軽くだけどビンタをしてしまう。

「……えっ!?」

美咲はびっくりして手で頬を押さえる。

でもその瞬間、胸の奥が熱くなるのを感じた。


美月は少し落ち着きを取り戻し、深く息をつく。

「分かっとる……私も辛い。でも、あんたにはあんたの気持ちがあるじゃろ?だから……ちゃんと戦えって言うとるんよ」


美咲は涙ぐみながらも、少し微笑む。

「美月……ありがとう……」

胸の奥で小さな炎が再び燃え上がる。

(……私、やっぱり負けられん……悠真……諦めん……!)


夕陽は教室をオレンジ色に染め、二人の影を長く伸ばす。

友情の厳しさと温かさ、切なさと胸キュンが交錯する瞬間――

美咲の心は決意と共に少しずつ強くなっていった。


美月は肩越しに微笑み、そっと美咲を励ます。

(……あんた、まだまだ強くなれる……私がついとるけぇな……)

二人の絆は、甘酸っぱく、胸が熱くなる友情の形として、夕陽の中に鮮やかに刻まれていた――。


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