友情と恋愛の狭間
文化祭も終わり、学校は少しずつ日常を取り戻しつつあった。
美月は悠真に振られた切なさを胸に抱えながら、心の中で決意を固めていた。
(……悠真には振られたけど……美咲を応援しよう……私の気持ちはまだ残っとるけど……)
胸の奥にほんの少しの痛みが残る。
でも、美咲の頑張りを間近で見て、手助けできる自分の役割を認めたかった。
放課後、美咲が教室で夕陽を背にしながら悠真と話しているのを、美月は少し離れたところから見守る。
(……あんたたち……また近づいとる……!でも……私が支えるんじゃ……)
美月はそっと美咲の肩に手を置き、囁く。
「美咲……悠真のこと、焦らんでええよ。私がついとるけぇ」
美咲は驚き、少し赤くなるが、心の中で感謝する。
「……美月……ありがとう……」
二人の間に小さな信頼の輪が生まれる。
美月は胸の奥で少し切ない気持ちを感じながらも、笑顔を作る。
(……私の恋は終わったかもしれんけど……美咲の幸せのためなら……頑張れる……!)
その後、悠真は里奈と少し離れた場所で話す。
里奈の頬は赤く染まり、心臓がドキドキしている。
「里奈……無理せんでええ。わしがちゃんと見とるけぇ」
悠真の誠実な言葉に、里奈は自然と体が近づき、胸の奥が熱くなる。
美月は少し離れたところでその様子を見つめ、微笑む。
(……悠真も、里奈も……美咲も……全部大事やけど……私は美咲の味方じゃ……!)
夕陽が校庭と教室を染め、三人の影が長く伸びる。
友情とライバル心、切なさと胸キュンが交錯する中で、美月は新たな役割を胸に抱え、前を向く――。




