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晴れの国で、恋をした  作者: 櫻木サヱ
恋の始まり、方言まじり

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11/35

放課後の寄り道

授業が終わり、チャイムが鳴ると、廊下には部活へ向かう生徒たちの声が響いた。

渚はいつものように廊下に立ち、帰ろうかどうか迷っていた。

そんなとき、悠真が教室から顔を出す。


「渚、今日…一緒に帰らん?」

その一言に、渚の心臓がドクンと鳴った。


「え、えぇ?うちと?」

「うん。別に、ちょっと寄り道したいだけじゃけぇ」

悠真はいつも通りの穏やかな声で笑う。その笑顔が、渚の胸をじんわり温かくした。


二人は並んで校門を出る。夕方の風が気持ちよく吹いて、金髪がふわっと揺れる。

道沿いには地元の商店街。おばちゃんたちの元気な声と、たこ焼きの香りが漂う。


「なぁ、ここら辺来ると、なんか落ち着くんよな」悠真がぽつりとつぶやく。

「わかるー!ここ、昔からよう来とったもん。うち、小さい頃からこのたこ焼き屋の匂い、大好きなんよ」

渚は無邪気に笑う。その笑顔を見た悠真も、ふっと優しく笑った。


二人はたこ焼きを買って、川沿いのベンチに座る。

「熱っ!…あははっ、舌ヤケドするかと思った!」渚が大きな声で笑う。

「渚、ほんま子どもみたいじゃな」悠真がからかうように言う。

「うっさいなぁ!そんなん言うあんたの顔も笑っとるじゃろ!」

岡山弁で元気に返す渚。


夕暮れの空がオレンジ色に染まるなか、二人の笑い声が川に溶けていく。

渚はふと、悠真の横顔を見つめた。

「…こうやって一緒におると、ほんまに時間が早いな」

「俺もそう思う」悠真が優しく返す。


その言葉に、渚の心臓がまたドクンと鳴る。

「うち…やっぱり、あんたのこと好きになっとるんじゃろか…」

心の中でつぶやいた渚の頬は、夕陽のせいだけじゃなく、ほんのり赤く染まっていた。


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