表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

学生時代の知り合い現る


 次の日。また、女子高生はお店にやってきた。

「おはようございますっ」

 俺は、昨日書いた手紙の返事を手渡す。その瞬間に、顔がまるで花が咲いたみたいにパァっと明るくなった。

 本当に…なんだか青春の香りがしたような気がした。

「あ、ありがとうございます!」

 そんなやりとりをしていると、お店に俺の後輩がやってきた。

「おはー!って誰?」

「あ、すいません。お客さん…」

「いや、コイツは」

 客じゃないことを言おうとして、向こうのほうが早く女子高生に絡んでいってしまった。

「えーなになに?カガミンの知り合い?オレはカガミンの親友のシマってもんですー!ヨロシクぅ」

「夜のノリで近づこうとすんな」

 シマの首元を掴んで自分の方へ引き寄せる。

「学校いってらっしゃい」

 俺が目で合図をすると、高校生も何かを感じ取ってくれたみたいだ。

「ア゛、はい」

 女子高生はシマにも頭を下げると、足早に学校へと向かっていった。

「ちょっとちょっと気になるじゃんー」

「ただの常連さん。最近、よく花を見に来てるんだよ」

「絶対にソレだけじゃないってぇ」

 感がいいのかなんなのか、後輩が怪しんでいる。

「オーナーが手を出そうとしてるから、見張ってるだけ」

「ふーん」

 コイツは手が早いから気をつけないと、高校生とか関係なく喰ってしまいそうだから怖い。

「女子高生が50のオッサンとか好きにならないでしょ」

「ちょっとちょっと、僕もいる時に悪口やめてぇ?」

 ちょうど花の買い出しに言っていたオーナーがお店に帰ってきたところみたいだ。

「おぁ、すいませんっ」

 オーナーと顔を合わせたシマが、即座に頭を下げた。

「いまどきの子達って容赦ないよね」

 オーナーはトホホみたいな顔をして、売り場の奥に消えていく。

「俺も入ってるんですか…」

「カガミンも容赦ない時は、容赦ないッスよね!イテテテ…」

 容赦のない後輩の頬をつねり上げる。

「何しに来た?」

「特に用事があったわけではないです。楽しそうなことが始まりそうな予感?がしただけです」

「ふーん?」

 俺は、獲物を捕らえるような目をしたシマが、心なしか何か暴走してしまうのではないかと心配になった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ