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おまけ


 俺は、GWの5月5日に休みを空けておいてと、美鈴にお願いをしていた。

 4カ月ぶりに美鈴と再会して、連絡先を交換した。スマホの使い方には、全然慣れないおじいちゃんのような30歳手前のオッサンが、高校を卒業したばかりの女の子と付き合ってもいいんだろうか?という疑問は、このさい横に置いておこうと思う。

 デートのために珍しくレンタカーを借りて、美鈴が合格した大学の前で待ち合わせをした。

 朝8時、デートをするには早すぎるような時間に、美鈴はすでに学校の前に来ていた。

「おはよ」

「どうしたんですか?車」

 車から降りた俺は、美鈴側の車の扉を開ける。

「今日だけ借りた」

「そうなんですね(ミュートさんが運転してるとカッコいいなぁ」

 助手席のドアを閉めて、自分も運転席に座る。

「今日はどこにいくんですか?」

「うーん。近づくまで内緒」

 ラジオをかけながら車を発進させた。

「私が大学受かってなかったら、どうしていたんですか?」

「受かるって思ってたよ。神社にもいったじゃん」

 俺は自分も購入した合格守りに必死にお願いをしていた。大学に合格した美鈴ともう1回出会えますようにって。

「ところで、今日って何の日か知ってる?」

「こどもの日ですよね?」

 一般的な行事でいったら、それだけどね。

「今日は、俺と美鈴の記念日。真ん中バースデーなんだ」

「真ん中バースデー?」

 俺の誕生日の12/25と美鈴の誕生日の9/16のちょうど真ん中くらいが、5/5になっている。

「俺も美鈴の誕生日を急遽知ったから、ちゃんとしたバースデーをやりたいって思っていたんだよね」

「そうだったんですね。私もミュートさんの誕生日ちゃんとお祝いしたいです」

 お互いの願いを叶えるのにちょうどいい日に2人は集まった。

 神奈川県から、少し車を走らせると、目的の場所まではすぐについてしまった。

「ここって…」

「夢の国」

 今日は千葉までやってきていた。

「えーと…それでさ、少しお願いがあるんだよね」

「なんですか?(頭にカチューシャとか付けたいのかな?」

「せっかくデート用の洋服着てきてもらって可愛いんだけど…これに着替えて欲しくて」

 俺は、夢の国へ来て、ずっと念願だった服装になるために、美鈴にもお揃いコーデをお願いした。

「………私は大丈夫ですけど」

 お互いが更衣室を借りて、着替えて出てきた。それは、夢の国が最近提案している学生服を借りれるプランだ。

「俺が美鈴と同い年になれる魔法にかかりたかったんだよね」

「年齢差そんなに気にしてたんですか?(私はべつに気にしてないのに」

 これで、ようやく美鈴の隣を歩いていても恥ずかしくない俺になれる気がする。

「あ…でも、30歳手前のオジサンの学生服、大丈夫??」

「大丈夫ですよ♫ミュートさんに似合わない格好なんてないんで」

 俺達は手を繋いで夢の国へと入場した。

 いろんなアトラクションに乗って、周りの目を気にしないでいられるのは同じ学生服だからかもしれない。

 ごはんを食べたりパレードをみていたら、すっかり夕方になってしまった。

 俺は、美鈴をお城の前に連れてきた。

 そこは少し庭園のようになっており、あまり人がいないひらけた場所になっていた。

 俺は、美鈴と向かい合って話始めた。

「今日は、一緒に出かけてくれてありがとう。半年前から、ずっとどこかテーマパークとか一緒に行きたいって思っていたんだ」

「そうだったんですね」

「それでね。今日は、受け取って欲しいものがあって、実はこないだ直した指輪が出来上がっているんだ。」

 俺は、美鈴の前に片膝をついた。そして、ポケットから指輪を取り出してパカッてした。

「俺と結婚を前提に付き合ってくれない?」

「はい!!喜んでっ」

 答えはすぐに返ってきた。なぜか、周りにいる人たちから拍手される。

 美鈴の指に指輪をはめる。今度はちゃんと綺麗に相手の指におさまる。

「私は、あなたを…心の底から愛していますっ」

 美鈴が涙を流すから、俺もなんだか泣けてきてしまった。

 俺はそっと美鈴を抱きしめた。

「ありがとう。俺も愛しているよ」

 同い年の魔法がかかっているからかな。なんだか、今日は素直に言葉にできるような気がした。

 好きとか愛してる。なんて、言葉を俺が言える日がくるなんて、思いもしなかった。

 制服を着ているからではなくて、美鈴と一緒にいると青春しているって気持ちになる。

 それは、彼女が持っている純粋で素直な気持ちに嘘がない気持ちが、俺に伝染しているからかもしれない。


これが、もう3年も前のことなのかーと思う。

どうしても年の差を気にしているボクが、

夢の魔法にかけられて素直になる物語。


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