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サムシングブルーブーケトス

最近、誰が主人公かわからなくなってきた(焦


 次の日になった。今日は美鈴の誕生日らしい。美鈴のお友達さんが、教えてくれた。

 俺は、朝イチのオーナーの花の仕入れから同行することにした。

「めずらしいね仕入れについてくるなんて」

「まーその、ちょっと…あーお店の花が、あまりにも無くなりすぎて、積み込むのとか大変かなって」

 オーナーは今日も何かを見透かしたようにニヤニヤしていた。

「1つ、聞きたいことがあるんだけど」

「なになに?人生の先輩に聞いてごらん」

 恋愛の話をされるだろうとワクワクしているオーナーの心を一刀両断した。

「今日で女子高生が群がるの終わりになってもいいですか?」

「え?なにするの?」

「あ、だから…むしろ、そんなに買い込まないほうがいいかもっていう助言?なんですけど」

 オーナーはトラックを運転しながら複雑な顔をしている。

「うーん…忙しいの疲れさせちゃった?ごめんね?」

「まー疲れるは疲れますよ(あんだけ混んだらね」

 べつに俺は、この店が繁盛すればいいとか思ってるわけじゃねーし。

 トラックが付いた先の花の問屋さんで、俺はお店の分ではない自分がほしい花を購入した。

 お店の準備を手伝った後に、誕生日の花束を作り始めた。白をベースとした中に青い小さな花を散りばめ、ブーケのリボンも同じ水色のリボンを巻いて完成した。

「(最近、朝の登校時に来なくなっちゃったんだよな……デート誘ったの強引だったのかな」

 俺は、いきなり会えなくなった理由を探していた。

 お店の開店時間になった。朝の登校時に寄る女子生徒もいて、朝からガヤガヤとし始める。

「押さないようにしてね」

「列の最後尾はここッス!」

 今日は、お店の手伝いにシマも駆けつけてきたらしい。

「私にもお花くださいっ」

「あーはいはい」

 やっぱり若い子のバイタリティーってすごいよな

 自分が学生時代にそこまで恋とか愛とかに突っ走る事が出来ていたか?と、聞かれたらこんなに真っ直ぐじゃなかったもんな。

 一旦、朝のラッシュが終わって、列を整備していたシマに聞いてみる。

「美鈴いた?」

「並んでいる中にはいなかったっすね」

「だよねー」

 少し寂しそうにしている俺にシマが何をピンと来たのか

「美鈴チンと別れたんすかw」

「なんで、嬉しそうなんだよ」

 マジでぶん殴るぞ…?

「カガミンが振られるのって、なんか気分いいじゃないッスか?」

「いままでだって、そんな俺は散々見てきたろ」

 高校生からの付き合いなんだしよ。

「いやーなんか、イケメンが振られるの見るとスカッとしますよねー」

「お前は性格悪いから、女にモテねーんだよ」

「(世の中の女性の全てが『お前にだけは言われたくない』って言いそうな気がするのオレだけッスかね」

 よくわからないけれど、シマが黙ってしまったので、そういえば…と、思い出した事を口にする。

「手伝いきてくれてサンキューな、コーヒーオゴるわ」

「え、マジ?気前いい♫」

「さっきオーナーがお金くれた。俺がお前にオゴるわけなくない?」

「オーナー優しいwさすが」

 俺は、裏のパン屋のコーヒーをシマに渡すとお店に戻った。


ーーーーーーーーーーーー

(シマ目線)

 カガミンから貰ったアイスコーヒーを飲みながら、やっぱりなんでオレがカガミンより劣っているのか分からなかった。

 べつにそこそこに顔も整っているのに、身長が低いことだけがネックなんだろうか?

「ほんと、世の中おもしろくないなー」

 カガミンと美鈴チンは、オレが邪魔しなくても破局に向かっているんだろうか?

 カガミンが不幸せじゃなかったら、オレが地元からわざわざ来た意味ないじゃん。

 ほんと、なんでイケメンだけが優遇された世の中なんだろうなぁ。

 朝もみんなカガミンだけしか見てなくて、少しくらい自分に見向きしてくれてもいいのにさ。

 みんなカガミンがどれほど冷徹な人間かも知らないくせに、よく好きとか言えるよ…。

 頼まれたから夕方もいるけどさ。

「あーマジでオレってば良い人間w」

 貰ったアイスコーヒーが空になると、オレは背伸びをしてお店に戻った。


 夕方といっても、学校が終わった15時過ぎに、正門から走り込んできたのか、ダッシュをきめた女子高生がお店に詰めかけた。

「みんなさ、お小遣い大丈夫なの?」

『はいっ』

 カガミンが女の子達に喋りかけながら、苦笑している。

「無理しないようにね」

 今日もオーナーとカガミンがせっせと花を渡している。

 そんな中、見知った女の子がやってきた。人だかりを遠巻きに見て帰ろうとしている。正直、見過ごそうか悩んだ。

「美鈴ちゃーん!」

「え?ニシさん??」

 オレに呼び止められた美鈴チンは、ビックリして振り返った。

「いや、シマだし。覚える気ねぇーじゃん!」

 いつもながら、オレの名前をカスリもしてないあたりが、全然好かれてないっぽい。

 とりあえず、美鈴チンが来たことをカガミンに知らせないとだな。

「ちょっと待ってて、ココに居て?」

 オレは、人だかりの向こうのオーナーとカガミンに声をかけた。

「おおーい!カガミン!オーナー!」

 すると、すぐに気付いたカガミンが、お店から何かを掴んで投げた。

「美鈴!」

 カガミンが投げた花束は、華麗に宙を舞うと美鈴チンの腕の中に綺麗におさまった。

「え?これ、私に?」

 花束を受け取った美鈴チンは、なにかを察したように微笑んでいる。

 それを見ていた女子高生達に異変が起こった。

「え、なにあれ」

「なにかイケメンから受け取った人いるけど……」

「は?なんなの?」

 全日、自分達が夢中になっている人に特定の誰がいる事が分かったのか、推しの恋人が現れて怒りの矛先がこちらに向きそうだ。

「美鈴チン!いまは、感動の前に逃げたほうが!!なんなら、塾まで送るよっ」

「大丈夫です。シマさんありがとうございます。それと、加賀さんも」

 美鈴チンは、花屋にいるカガミンに一礼すると、花束を胸に塾へと向かった。

「なんだか、全然オレの入るすき間なくね?」 














本人ヒロインになにも伝えていない青い花束は、サムシングフォーという結婚式のブーケから由来しています。

子供の頃から、このサムシングフォーに憧れていた作者は、高校生の時に付き合っていた彼女に結婚のベールを手作りしてプレゼントして、引かれて別れるという重たい思い出を持った男です(笑

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