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平日、日常

 

 俺は、お弁当箱を受け取って帰ってきた。

食べてもらえれば、自分で洗ってきます!と、女子高生に言われてしまったのだが、さすがに作ってもらった側が洗って返さないのも人として、どうなのかな?って気がしてしまって、受け取って帰ってきた。

 美鈴は、明日もお店にやってくるだろうか?暑くても毎日やってくるんだから、明日も来るよな??

 俺は、仕事が終わるとスーパーによってから帰ることにした。

 明日のお弁当の食材を買うためだ。

 いままでの手紙の中に、嫌いな食べ物とかの話はなかったんだよな。こないだのパン屋でも、好き嫌いとかを聞き忘れてしまった。

作ったものの食べれない物が入っていたらゲンナリされてしまうだろうか。

 自分が好きな物を詰めればいいか。

 なんなら、久しぶりに自分の分も作ろうかな。最近は、面倒くさくて自分の分のお弁当なんて作ったりしなくなっていた。

 コロナ禍から始めた自炊により、なんとなくは料理が作れるようになったものの、普段の夕飯作りとお弁当とはまた少し違うものなのかも知れない。

 そういえば、スーパーの窓ガラスに今週やる花火大会のポスターが貼られていたけれど、夜の19時から21時の時間じゃさすがに塾と丸かぶりしてるから、誘えないよなぁ。

そんな事を考えていたら、毎日会えることも、次に出掛けられるかもしれないことへも楽しくなってきている自分がいるような気がした。

 それはまるで学生時代に戻って恋のドキドキを体験しているような気分にさえなっているような気がした。

「(…好きって思う気持ちって、こんなだったかな………」

 でも、まだなんだかよくわからないモヤモヤが残っているような気がする。

それを深く考えることはやめて、俺はスーパーから帰ってきた。


 スマホがあったら、相手のことをもっと知れるんだろうか。

 いま何をしているのか?とか、会いたいと思った時に電話をしたりとか…。

 GPSで居場所を特定したりとか…と、考えて、やっぱり相手のことを知りすぎるのも、どうなのかなという気もする。

 マンションに戻るとすでに洗われたお弁当箱が乾いていた。

 その隣に、買ってきた自分用のお弁当箱を並べる。

「なにやってんだろ…」

 わりと俺は好きになると尽くすタイプの人間だとは思う。けれど、それが報われたことがない。……引かれたりしないといいけど。そう思いながらも、自分が相手にしてあげたいことを止められないところも、他人からするとキモくて共感が持てない部分なんだとは思う。

 年の差の埋め方もいまいち分からない俺が、これくらいなら大丈夫かな?とか考えてる時点で気持ち悪いんかな。

 マンションにいて気持ちが落ち着かない時に、美鈴からもらった手紙を読み返す。


『塾があってたくさん出掛ける時間を取れなくて申し訳ないです。もっと、どこかへ出掛けたい気持ちはあるんですけど。

そういえば、こないだお兄さんと一緒に行ったかき氷屋さんに行ったら、お姉さんが「ツケでアイツに払わせる」と言ってお金を受け取ってくれなくて…お兄さんに迷惑をかけてしまったらすいません。。。』


 美鈴の日常を美鈴の文字で知れるのが今はなんだか楽しい。あのかき氷屋気に入ってもらえたのかな。

 だとしたら、なんだか嬉しいな。


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