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車欲しいなぁ(ぼやき


それからも、手紙のやりとりはしていた。

 7月が終わり、もう8月になってしまったけれど、これといった進展はない。

 仕事の休みがないわけでもないが、大人の男が高校生との付き合い方が分からない。

「…………うーん」

「なにか、お悩みかな?」

 バイト先のオーナーが俺の顔を覗き込んできた。

「学生が求める大人ってなんなんですかね」

「財力?」

 ただのアルバイトにそれ言います?

「聞く人間違えたかもしれません」

 バイト先の椅子から立ち上がろうとすると、オーナーが慌てて追いかけてきた。

「えーでもさーそれ以外にある?」

「港区女子みたいなこと言わないでくださいよ」

「高校生だと、同じ世代の男の子達は自転車乗ってるのに、大人と付き合ったら車で迎えに来てくれたりするわけじゃん」

 つまり、友達にマウントできるポテンシャルのお飾り?って言われてるような気もしてきた。

 結局、女って若くても大人でも考え方それしかないのかな。なにより、俺は車持ってないんですけど??

 確かに、オーナーみたいにヒゲ生やしたダンディな人は高校生を高級レストランとかに連れていきそうなイメージはある。

「なんだかなーそういうんじゃないんだよなぁ」

 俺が花屋の空を見上げていると、後輩が今日もやってきた。

「おはざい!カガミン♫」

 俺は、挨拶してきた後輩の腹を蹴り飛ばした。

「ぐおぁ…」

 花屋の前のアスファルトに転がった後輩を見つめながら問う。

「シマは、いつ女子高生と仲良しになったのかな?」

「今日…めっちゃ機嫌いいじゃないですか」

 俺は、後輩の胸ぐらを掴んだ。

「早く聞いた事だけに答えな?」

「こないだ、ココで会った日の後に車でドライブに…って美鈴チン話すの早くなぃ?」

「なにそれ、やっぱり車は必須ってことが言いたいの?」

「何の話っすか??」

 今日の前後の話を総合すると、やっぱり車の重要性があるらしい。

「こらこら、お店の前で体育館裏の争いみたいなことしないの」

 店先で揉めていると、すぐにオーナーがやってきた。

「コイツ出禁にしません?」

「いやいや、常連さんだから」

 シマは、地元のカフェバーをたたむと、俺と同じ用に東京にやってきて、いまはキャッチの仕事をしている。

 もちろんシマの店にも花は卸している。

「………ウザッ」

 俺は、シマから手を離すとお店に戻った。

「機嫌がいいのか悪いのか、なんなんッスか」



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