デート?1
待ち合わせをバイト先にしないほうがよかったのかもな。と、少しだけ後悔している。
オシャレをしてきて、バイト先にいたら逆にバイトの忙しさが増してしまったようだ。
オーナーが泣き出しそうな顔をしたので、俺は仕方なく休みなのに、職場の手伝いをすることにした。
11時になる頃、いつもは制服の女子高生が私服でお店にやってきた。
「あれ?今日は仕事休みじゃなかったでしたっけ?」
「そうなんだけど、忙しいみたいで、少し待っててくれる?」
「はい」
きりの良いところでオーナーに別れを告げる。いまからが一番忙しいのに?!という顔を向けられながら、お店を出た。
女子高生は、律儀にお店の前で待っていた。
「ごめんね。お待たせ」
「あ、いえ」
俺は相手の頬に手をあてた。
「熱中症とか大丈夫?」
「へ?あ、ふぁい!」
どうやら、さらに熱を上げさせてしまったみたいだ。
「暑いのに待たせちゃってごめんね。かき氷って好き?」
「き…嫌いな人はいないかと……」
「じゃ、行こうか」
俺が歩き出すと、高校生も俺の隣を必死に遅れないように歩いてくる。
…もしかして、俺の足が速いんだろうか?
「今日!いつもと違ってカッコいいですっ」
歩いている間に何も喋らないのが耐えられないかのように向こうが口を開いた。
「そ?そっちも可愛いよ?そのまま塾にいくの?」
「本当は、夏休みの間は制服じゃなくてもいいんですけど、服装が決まらなくていつも制服なんですよね」
「そうじゃなくて、そんなに可愛かったら誰かに取られないか不安だなって話」
俺が言いたいことをようやく理解したのか、茹でダコのような顔になってしまった。
「な、な、なに言ってるんですか?今日…なんか、いつもと違いませんか?」
「ああ、ごめん。女子高生をたぶらかすオジサンみたいなこと言うのはよくないね。反省します」
「(…いや、嬉しいけど…出会って3分でコレだと、私の塾が始まるまでに、私は私の形を保っていられるんだろうか…」
「あ、ここ」
俺は行きつけのかき氷屋さんに到着するとその扉を開いた。少し古民家カフェのような作りが気に入っている。
「あ、みーちゃんいらっしゃい」
「どもです」
女子高生は、ここに来るが初めてなのかキョロキョロとしていた。
俺達は、店員さんに案内されてテーブル席についた。
「メニューをどうぞ」
「(かき氷なのに、どれも2千円?!」
メニューを受け取った女子高生が、目を見開いている。
「あ、ちなみにオゴるから、好きなの選びな?」
「え?!いえ!そんなっ!」
メニューの上から高校生が頭を出した。学生さんって何をしても可愛いんだな。
しばらくすると、どれにしようか真剣に悩み始めたのか、また顔が見えなくなってしまった。
「暑い中、待たせたのは俺だし。ちなみに一番安いのを選ぼうとしたら、強制的に一番高いやつの注文にするからね」
「ひぃ…」
「みーちゃん、イジワルすると彼女に嫌われちゃうよ?」
注文を聞きに来たのか、なじみの店員さんがテーブルわきに立っていた。
「俺は白桃で」
「え、あー私は……(彼女?いま、彼女って言ってた?!」
「悩んでるのがあるなら、全部注文しちゃえ!」
女の店員さんが、女子高生にウインクしながら注文を取っている。なんて、自由な職場なんだ…。
「俺から金を巻き上げようとしないでくださいよ」
「マンゴーのかき氷で…」
「うんうん。マンゴーのかき氷にバニラアイス添えね♫了解ー」
女子高生の注文にシレッと商品を追加すると、店員はスキップで厨房へ帰っていった。
「あ、あ゛、あの…」
女子高生が「違うんです」と言いたげな顔で青ざめている。
「大丈夫、大丈夫。マジでオゴるから」
「なんか、すいません…ところで、気になったんですけど、みーちゃんって言うのは………」
女子高生が恐る恐る俺に聞いてきた。
「俺の名前がミュートっていうから、それにちなんでみーちゃん…なんか猫みたいで嫌なんだけどさ。呼び方変えてくれないんだよ」
「お手紙をもらって漢字の名前は知ってたんですけど、読み方すごいキラキラネームなんですね」
「まーね。クラスにそこまでキラキラネームが多かったわけでもないんだけど、みんな呼びづらくて『ユウト』って呼ばれる事が多かったかな」
「そうなんですね」
俺達は、古民家カフェで涼みながら、かき氷が出来上がるまで喋りながら待った。
主人公 名前
加賀 無音→カガ ミュートを学生時代の友だちが、カガミ ユウトにする物語が設定として好きすぎるマンです。
そうすると、加賀美 有音になり、無音だった主人公が有音に変わるエピソードをもう少し上手く描きたかったです。(何
ちょっと長くなってしまったので
デート2回に分けました。つづくです。




