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伝説の終わり
はじめまして。岡崎 奏と申します。
不定期更新ですが暇つぶしに読んでもらえたら嬉しいです。
その日、世界は終焉を迎えようとしていた。
天空を裂き、荒れ狂う黒き嵐。
大地を穿ち、命を刈り取る魔王の軍勢。
人類の希望は、尽きかけていた。
「――これで終わらせる」
銀の髪を風に揺らし、青年は剣を構えた。
その姿に、人は畏れ、敬い、そして祈りを込めた。
「ユリウス=レインハルト……あの男がいる限り、世界は終わらない」
神速の剣閃、絶界の魔術、そして仲間たちを指揮する冷静な眼差し。
すべてが、“人”の域を超えていた。
やがて、魔王は討たれ、世界は救われた。
だが――戦いの英雄は、勝利の祝福を受けることなく、静かに姿を消した。
「もう、戦いはたくさんだ。……次は、静かに、のんびり暮らしたい」
彼が向かったのは、遠く離れた辺境の街。
名もなき酒場の片隅、ギルドの壁際、野良猫のいる路地裏。
誰も気づかぬうちに、“世界最強”は、ただの冒険者となった。
だが、彼を放っておく世界ではなかった。
──そして今、再びその名が呼ばれようとしていた。
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