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オムライス
【オムライス】
なんだろう。この状況。そういえば私はいい匂いで目覚めたのだった。間違いない、これはオムライスの匂いだ。数ある卵料理の中でも私はオムライスが好きなのだ。眼の前の二人の会話を聞いているとどうやらふたりで協力して作ったらしい。目を疑うほどの美形だ。半熟が最高だ…とか巷では言われているが、私はしっかり熱が通っている方がすきなのだ。ま、そんなことはどうでもいいか。
「これ、たべて~」
私は言われるがまま食べてみた。おいしい。めっっっちゃおいしい。なぜ同じ“私”なのにこんなにおいしく作れるんだ? 恐らく未来の私は料理がうまくなっているんだろう。それは楽しみ。
「おいしい!」
と、やっと口に出せた。あまりにもおいしすぎて何も喋っていなかった。
「すこしは元気出た?」
と、未来の私が聞いてきた。特別元気わけでもないのだけど…
たしかに温かい気持ちにはなった。
「めっちゃ元気が出た」