私と私と私
【私と私と私】
・・・ふぅ。外で鳥がちゅんちゅん鳴いている。まぶしい日差し。朝だ。しかし、昨日の変な夢のせいなのかすごい疲れた。疲労困憊だ。普通寝たら疲れが取れるもんなんだけどなぁと考えていたらいいにおいがする。お隣さんではなさそうだ。
私の部屋は、うっすらピンクの壁紙、白い棚にうさぎのぬいぐるみを飾っている。某雑貨店で買ったふわふわのカーペットにテーブルがあるのでそこで毎日ご飯を食べているのだが、今日はいつも無いような違和感がある。ふと、目をそこに落とすと見たことがあるような見たことがないような人影がある。
「おはよう」
と最初に口を開いたのは私だ。そう私。なんでなんだろう、われながら不思議だ。多分幼少期から挨拶するようになっているように暮らしの中でしみついてしまっているからなのだろう。
しかし、今はそんなことはどうでもいい。目の前にいる人が誰なのかが問題だ。
「おはようっ!」
「おはよう~」
返事が返ってきた。そうか夢に出てきたあの二人か。あの…ふた…り?
夢に出てきたことが現実でも起きることが“正夢”(まさゆめ)という。しかし、あの夢は起こりえないだろう。
「もしかして…」
「そう。夢であったでしょ! これで寂しくないでしょ!」
と私が聞いた直後に無邪気な少女が答えた。そうかなるほど分かったぞ。いやー理解が速いな私。
「いやー理解が速いな私。」
とあの夢の“おねえさん”が言った。心の中で、いやなんで同じ感想やねん!とセルフ突っ込みをしてしまった。それができるぐらい私は冷静なのだ。
「ということで、しばらくよろしくね~」
と“おねえさん”は言った。頭の中は「?」で埋め尽くされた。“おねえさん”は
「寂しそうだったから未来から来たの。この子には少し手伝ってもらおうと思ってね」
ふむ。なるほど。どこかで聞いたことがある。主人公を助けるために未来から来た人が助ける…的な
青いロボットがでてくるアレだ。うーんこれからどうしたらいいのだろう。
少し会話してみて考えよう。