心に闇を抱えてるのはいわゆる底辺じゃなく、むしろ一見すると恵まれてる人のほうが実は多そう
さて”なろう系を好む人で男性はおそらく劣等感や無力感、女性は孤独感などの心の闇を抱えている人が多いのではないかな?”で”異世界でチート能力を手にした俺は”の例を挙げ、氷河期以降はバブル期前の人間よりそういう人が多そうといったこともあって、私がなろう読者は就職に失敗した底辺みたいなイメージで書いているとられることも多いのですが、別にそう思ってるわけではありません。
たとえばダイエー創業者の中内㓛さんは1999年1月の社長退任の記者会見で、思い出を問われてこう答えます。
「40年間、楽しいことは何もなかった」
ダイエーといえば今ではイオンに買収されて影も形もなくなっていますが、卸売業者などの中間業者を排除した流通経路の短縮化によって、スーパーマーケットという形態を作り出して、大金持ちになった人なんですよね。
まあ、ダイエーは松下電器産業(現・パナソニック)とテレビの値引き販売をめぐって対立し、最終的に和解はしたものの、松下幸之助は、1975年に中内㓛を京都の真々庵に招いて、「もう覇道はやめて、王道を歩むことを考えたらどうか」と諭したが、中内㓛は応じなかったという話もあったりするんですが。
そういう世間では成功者と思われてる人でも、なんでも思うとおりになるわけではなく、それが楽しい、自分は満たされていて幸せだと思うかは別だってことですね。
風俗のお客さんでもルックスが悪いわけでもなく、そうとうなお金もあるのに、長時間のコースで、風俗嬢にはまって女の子にいろいろみつぎ続けても、結局全く報われないお客さんを結構見ました。
キャバクラにはまるのもこのタイプが多いのかなと思います。
また女性向け作品の、うだつの上がらないOLや公爵令嬢がスパダリにちやほやされて、私ハッピーなお話を読む人は、現実では貧乏なシングルマザーとか社畜OLだろうと思ってるわけでもないんです。
私が風俗で働いていた時に、お店のナンバー2の人気で自分の会社として宴会などの派遣コンパニオンの会社を経営しているので年収が1千万を超えていて、旦那はゼネコンの社長で年収が2千万とか3千万あり、住んでいるのは駅前の広く、でかいマンションで娘二人にはフィギュアスケートを習わせて、当人もルックスもスタイルも抜群でコミュ力もある女性がいましたが、その人は無茶苦茶病んでいて、いつも孤独感にさいなまれている感じでした。
また、別のお店のナンバーワン人気の女の子もすごく稼いでいても、鬱で大変そうだったりしました。
男性でも女性でも、ルックスがよくて、お金がたくさんあって、いいとこに住んでいても必ずしも無力感や劣等感、孤独感などと無縁でいられるわけではないのですね。
男性女性問わず、ルックスが良く、面白い話ができたり、優しい振る舞いができたりとはたから見れば完璧な人もいますが、周囲からの嫉妬や妬みで闇を抱えてしまうこともあり、むしろ人前では明るく振る舞っていたり、本心をうまく隠していられると、逆に闇が深くなっていく気もします。
かぐや様は告らせたいの大仏こばちはこのパターンで苦しんでいましたし。
まあ、結局豊かな暮らしをしていても、周囲の承認を得られていないと感じていたり、パートナーの愛情を感じられなかったりするとそうなるのでしょうけどね。
あと男はパートナーに物や金さえ与えていれば幸せを与えているものだと思っているが、女はそんなことより言葉や態度ではっきり愛情を示してほしいというすれ違いもありそうですが。
逆になろうのエッセイのうちのダンナはぽっちゃり男子 (作者はつづれ しういちさん) を読んでるとパートナーのルックスとか経済的な能力は幸福感と関係ないんだと思ったりします。