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時空の掌握者~クロノティウム・インぺリウム~  作者: 棚からぼたもち
第1章
3/22

第3話 理の印~ノーマ・シグナム~

今回、説明回です。


「それは神々が授けた世界創造の力の一部である。すなわち、極限まで極めし者は神に近し。誇り、励み、至れ。我々が目指すべきは神の領域である。」


 これはノーマ教と呼ばれるスキエンティアで最も侵攻されている宗教の聖典に書かれている有名な文章だ。

 何回か話題に上がった理の印(ノーマ・シグナム)について書かれている。


 理の印(ノーマ・シグナム)とはその名の通り、世界の理に干渉する。

 つまり、現象や概念に干渉するための力を与える刻印だ。

 だが、万物に干渉できるという訳ではなく、特定の現象や概念にのみ干渉できる。


 理の印(ノーマ・シグナム)は大別して、8つの現象や概念に干渉できる。

 その現象や概念のことを『属性』という形で区別している。

 炎の発生や操作、温度を上昇させる、攻撃性の高い炎属性。

 水の発生や操作、極めることで治療なども行える水属性。

 土の発生や操作、物を作ったり変形させたりするのに役立つ地属性。

 風の発生や操作、どこにでもあるものなので応用性に富んだ風属性。

 水属性の亜種で、氷の発生や操作、温度を低下させる氷属性。

 光の発生や操作、最初は弱いが、極めれば最強とされる光属性。

 闇の発生や操作、精神に干渉など危険度が高く、光属性の対となる闇属性。

 そして、他の7属性とは違い、ちょっと特殊で固有の能力を持つこともある命属性。


 属性の判断は理の印(ノーマ・シグナム)の色によって、判別ができる。

 炎、水、地、風、氷、光、闇、命の順に、赤、薄めの青、茶、黄緑、深めの青、白、紫、黄となっている。


 命属性については、少し曖昧なので、追加で説明しておこう。

 命属性はさっきも言った通りだが、他の属性とはかなり違う。

 基本的には、身体能力の強化や物体の硬度を上げる強化系、生命の操作を行う治療系、生物に変化したり生物を従わせたりする生物系の3つに大別されている。

 能力にある程度の個人差があるが、どれも命に関係していて、刻印の色が同じ黄色であることから命属性としてまとめられている。


 理の印(ノーマ・シグナム)は省略して、(シグナム)とも言われ、属性に応じて言い方が変わる。

 炎属性であれば、炎の印(フラマ・シグナム)、水属性であれば、水の印(アクア・シグナム)と言った形である。

 (シグナム)は基本的に、右手の甲に存在しているが、稀に右手と左手の両方、つまり2つの属性を持って生まれる者もいる。

 そして、(シグナム)自体を持たない者もいる。


 エリオム兄さんが『覚醒』と言ったのを覚えているだろうか。

 理の印(ノーマ・シグナム)には5つの段階が存在する。

 第一段階、これが生まれた時の初期段階であり、手の甲に刻印が描かれている。

 第二段階、第一段階から肩まで刻印が広がる。

 第三段階、体の半身全てに刻印が広がる。

 第四段階、体の全身に刻印が広がる。

 第五段階、体の内部にも刻印が広がり、表面にある全身の刻印が複雑になる。


 属性の現象や概念の発生や操作、つまり炎属性なら、炎を発生させたり、炎を操ったりできる訳なのだが、段階が上がれば上がる程、その規模や威力が上昇する。

 そして、第三段階から上は少し能力の幅が広がる。

 第三段階では特殊な性質を持たせることができるようになる。

 例えば、炎属性ならば、炎に質量を持たせたり、炎で何か形を作れるようになったりする。

 第四段階では第三段階以下の同じ属性の攻撃が無効化できるようになり、全身にその属性の現象を纏うことができる。

 第五段階では第四段階以下の同じ属性の攻撃が無効化できるようになり、現象そのものに変化することができるようになる。

 これは例えば、炎であれば、体を炎そのものに帰ることができる。


 この段階を上げることを『覚醒』というのだが、これがかなり大変だ。

 無理矢理、(シグナム)を自力で押し広げるのだ。

 集中力のいる作業だし、何より激痛に耐える必要がある。

 失敗すれば、命を落としかねないし、命を落とさなくても、体の一部が吹き飛んで失った人もいる。

 一度広げてしまえば、次から広げた段階まで覚醒する時には痛みはない。

 覚醒している状態では体力の消耗が激しいことや実力を隠すという意味からも、覚醒していたとしても、第一段階の状態にしているのが普通である。


 さて、さっき言った通り、覚醒はかなり難しく危険度が高い。

 師匠がいるか、運がよかったのか、あるいはそれだけ天才だったのか、そうでもなければ、基本的に覚醒はできない。


 だが、貴族は第二段階まで覚醒するのは基本である。

 なぜなら、貴族達は先祖、あるいは本人が戦争や理獣(ノーマ・ベスティア)と呼ばれる化け物の討伐などの功績により、貴族となっているからだ。

 なので、貴族にはそれぞれ、独自の覚醒方法が存在する。

 そのため、第二段階に上がるのは普通のことなのだ。


 逆に平民はそう言った知識も皆無であり、そもそも『覚醒』の存在すら知らない者もいる。

 そのため、貴族は平民よりも強い。

 なので、本来ならば、貴族は、平民というか、国民を守る立場にあるはずなのだが・・・貴族は自分の利益ばかりを求めるようになり、自分達よりも弱い平民を見下すようになった。

 ましてや、(シグナム)を持ってない者などを人とすら思っていない者もいるだろう。


 俺は王族だったし、色んな要因からこうやって無事に過ごせているが、もし俺が平民だったら、まず間違いなく、既に死んでいる。

 それに(シグナム)のあるなしだけでなく、属性でも差別は存在する。

 直接的に戦闘に関わりにくい地属性や第一・第二段階時のまだ弱い光属性は見下される傾向がある。

 そして、闇属性なのだが、これは特殊だ。

 人類の敵であるる魔人という種族のほぼ全員が闇の印(テネブラエ・シグナム)を持っている。

 そういう事情もあり、人が闇の印(テネブラエ・シグナム)を持っていれば、迫害、あるいは殺害されるだろう。


 ちなみに、エリオム兄さんは炎の印(フラマ・シグナム)、ラピスは水の印(アクア・シグナム)、父上とレイ兄さんが光の印(ルクス・シグナム)、俺から見たら、義母に当たる母上は治療系の命の印(アニマ・シグナム)、第三王女であるセレーナ姉さんは生物系の命の印(アニマ・シグナム)を持っている。

だいたいこんな感じになるかと。

お話の続きは明日です。

楽しめた方はブックマークや感想、評価をよろしくお願いします。

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