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8月6日(千鶴)

作者: 狼花

  「いやー夏に食べる冷たい麺は最高だね。」

「そうですね。そうめんの他にも冷やし中華やざるそばも美味しいですね」

夜の食卓、今日は私が料理を作った。

そうめんとサラダにサラダチキンを乗せる簡単なものになってしまったが

2人には好評のようだ。

「でも、珍しいねお母さんが手抜きだなんて」

「他に何を作ればいいかわからなかったのよ」

・・・そうめんはラーメン同様単体で食すものじゃないのかしら?・・・


 「稲荷ずしや、鉄火巻きなんかはどうでしょう。」

奈々にそう言われれて

ああ、そのてがあったわねと感心してしまった。

・・・飲食店でアルバイトをしているのでこういうときにすぐ思い浮かぶのね・・・


 「飲み物もラムネにしたらいっそう夏らしくなるよ」

今度は桃花が提案してくる

「食事中はお茶でいいわよ」

「私もお茶ですね」

見事に2対1で玉砕される、いつものお決まりのパターンだ

・・・ラムネはたこ焼きやカキ氷と一緒に飲みなさい・・・


 「ところでさ、話は変わるんだけど。

   なんで平和学習って怖いDVD見ないといけないのかな」

桃花が言っているのは8月6日に行われる平和学習のことだろう

「確かに悲しいビデオですね。私も苦手でした」

「あのね、1日のわずかな時間だけでしょう。」

・・・それを体験した当事者は想像できないほどの苦しみだったと思うわよ・・・

「確かにそうだけどさ」


 「人類の歴史って文明の発達やギネスの記録みたいに

  感動したり成長したり全部が全部いいこと尽くしじゃないのよ

  過ちや失敗もまた1つの歴史なの」

「だから?」

と桃花。


「悲しいことや辛いこともあったということを受け止めないとね」

「受け止めたらなんになるの?」


「戦争の痛みや苦しみがあったことを知って同じ過ちを繰り返さない

 そうすれば少しは犠牲になった方もその痛みをいまも頑張って伝えている

 方の思いも無駄にならないと思うのよ」


「ふーん。なんか綺麗事みたい」

「そうね、私がそう思ってるだけだからね」


・・・でも過去は変えれないし、戦争の悲しみや痛みなんて想像できないでしょ。

   うわべだけで理解したふりをするのはそれは簡単だけど

   それを今も必死に戦争の辛さを語る人に対してはやってはいけないと思うし

   私が考えて具体的にできることなんて 自分の思いを子供達に伝える

   これくらいしかないと思うのよ・・・    

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