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6話


俺と清美が来た場所は公園だった。


「よし、早速ここでやろう!」

「どうすればいいんだ?」

「人によって能力が様々だからねぇ~。私と同じように炎とか出したり水とか電撃出したりする人もいれば、自分の身体を変化させる人もいるよ。他には身体強化とかかな?攻撃を強化したり防御を強化したりスピードが上がったりかな。他にかなり特殊な分類もあるね」


そんなにあるのか……俺の能力がどんなのか楽しみだが逆に見つかるのかという不安もある。


「大丈夫!良司君の能力もすぐ見つかるから!」


不安が顔に出ていたのか、清美が励ましてくれた。……しっかりしないとな。


「とりあえず片っ端から試してみよう。まずは手を出して何か出ろ~って念じてみて」

「……そんなんでいいのか?」

「うーん……私は物心ついた時から炎が出せたからなぁ」


 物心ついた時から……?


「……清美っていつから[中]にいるんだ?」

「あっ、言ってなかったよね。私が赤ちゃんの時からいるみたいなんだよね。竹内さんが捨てられてた赤ん坊の私を見つけてくれて保護してくれたんだ」

「なんか……悪いこと聞いたかな?」

「別に良司くんが気にすることじゃないよ。とりあえずやってみてよ」


 なんかポーズ決めてるみたいで恥ずかしいが、真面目にやらないと。

 目を閉じで念じる。炎でも電撃でもなんでもいいから出ろ!


 手のひらが熱く感じる。

 目を開けると俺の手には揺らめく炎が漂っていた。


「出来たじゃん! よかったね」

「時間かかるかなと思ってたけどずいぶんあっさりだったな」

「変わった能力だと解明するの大変だから、よかった方だと思うよ」


 そういうものだろうか? 

 清美の意見をよそに俺は掌に揺らめいている炎に消えろ念じてみる。そうすると簡単に炎が消えた。


「今は念じて出したり消したりしてるけど、慣れてくると念じなくでも息をするように出したり消したり消えるようになるから」

「へぇ」


そこまでするには時間が掛かりそうだ。


「ついでだから身体動かしておく? ずっと寝てたからさ。それに身体能力も上がってるし慣れておくのもいいかもよ」


 確かに自分の身体能力をどれくらい上がっているのか確かめるのも大事だ。

 俺は準備体操をしてから公園の周りを軽く走る。清美も一緒に走ると言ってくれた。

 この公園は一般的な広さだが普段だったら数周くらいで疲れてきそうだが今の身体は全然余裕だった。十数周と走っても疲れが出てこない。改めて自分の身体が変わったんだと実感する。


「どう、体力の方は?」

「確かに前より全然疲れてないけど、違和感はそんなにないかな」

「そっか、それなら大丈夫だね」


 二人で休憩していると、遠くで宇杉君が妹さんと歩いているのが見えた。俺は清美にも宇杉君のことを聞いてみた。


「宇杉君って普段何してるの?」

「[中]に来た当時はひらすらトレーニングしていたかな。今もしているけど。今の所は何も言わずにフラっと消えてフラっと戻ってくる事が多いかな。聞いても何も言ってくれないから今は何も聞いてない」


 彼はどこでもだんまりなのか……。それよりもなんでこんなに彼を気にしているのか……命の恩人だからか?同い年だからか?なんだろう……。

 だが俺の思考は一旦止まった。

 なんとも言い難い気配を感じ取った。どこかで感じたことのあるような気配だ。気配を感じ取ったのは清美も同じだった。


「近くで誰かが戦っているのかもれない」

「!?」

「ここは私達の活動エリアギリギリのところだし、ガラの悪い連中に捕まったのかな? でもそれだとここまで大きい気配かな」


 身体がの作りが違う物になっただけで俺は気配まで感じ取れるようになったのか……。

 と、そんな事はどうでもいい。


「誰かに伝えた方がいいのか?」

「うーん……まずは様子を見てこよう。問題ありそうだったら伝えて、大丈夫そうだったらそのままかな。まずは確認しないとわからない」

「わかった」


 俺たちは気配のするところまで走っていった。

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