タカの不運な日
菜華ちゃんからの告白を受けて私は先にリビング行くからねと言われてからかれこれ10分近く動けずにいる。
だって気まずいじゃん!リビング行ったら静にゆかりさんに菜華ちゃんだよ!?修羅場ってか戦場じゃん!静と付き合ってるってのは知ってるけど遠慮ないんだもん、、、最近までほとんど色恋沙汰なんかに無縁だった俺にどういう対応で接したらいいんだよ!普通に接すればいいじゃん!って思うかもしれないけど普通がわからないよ、、、
「ちょっと純一!なにしてんの!早く降りてきてよご飯冷めちゃうよ!!」
階下から静の声がする。このまま部屋にいるわけにもいかないし行くか、、、
「ごめん、お待たせ、ってあれ?ゆかりさん帰ったの?」
いると思っていたゆかりさんが不在だった。少しほっとした。
「あーゆかりなら家に忘れ物したとかで帰ったわよ、ってかどーしたのよ純一、なんか様子おかしいよ?熱でもあんじゃないの?」
そー言って頭に手をかざそうとする静。
「べ、別に熱なんてねーよ大丈夫」
「何よ、別に恥ずかしがることじゃないでしょーに。まぁいいわ早く食べて学校行きましょ」
そう言って自分の席に戻ってパンを不満そうに齧っていた。
ヤバい俺どうしちゃったんだろほんと、、、とにかく今は部活だよ部活。
会話もなく朝飯を食べ終え俺は先に学校へと向かった。タカとの待ち合わせまで10分以上早く着いてしまった。俺は朝の初めて見た真剣な表情の菜華ちゃんの顔を思い出してしまっていた。
『じゅんにぃが好き』
不覚にも顔がニヤけてしまうのがわかった。馬鹿か俺。今は浮かれてる場合じゃないだろって。
「よぉ、純一。今朝ははえーのな」
そこには眠そうに欠伸をしながら喋る親友のタカの姿があった。
「あぁ、たまには俺も早い時ぐらいあるよ」
「まぁお前が集合時間より早く来る時なんて決まって何か言いたいことある時のが多いんだけどなんかあったんか?」
「あぁ、例の喫煙疑惑なんだけどネットからの合成画像だったよやっぱり。今日の放課後ゆかりさんと野村監督のとこ行ってくる。お前も来るか?」
「もち!ってかゆかりさんともう和解したんか?」
「うん。大会前ってのもあるしいつまでも気にしてたら仕方ないかなって」
「純一。1つ言っておくけどお前優しすぎるところあるからな?多分俺なら許せてないわ。まぁ純一がいいってんなら俺もいつも通りゆかりさんと付き合ってくわ」
「優しすぎる、んーそんなことないと思うけど。まぁ気をつけるよ」
「おう」
その後も昨日のプロ野球の審判がジャビアンツ寄りだとか下らない話をして学校に向かった。
学校につくと1番最初に出迎えてくれたのは赤星、早苗ちゃんの仲良しコンビだった。
「おはよー純一君!」
「お、おはよ早苗ちゃん、朝から元気だね」
「まぁねーほら赤星も挨拶しなきゃだよ」
「天谷絡むとなんでこんなに怠くなるのよ早苗、、、あんたのせいよ責任取りなさい」
「俺関係ねーだろ、ってかタカもいんだけど早苗ちゃんタカにはそのハイテンションぶつけないの?」
「あ、いたんだおはよ小久保君」
「ねぇ、純一。俺女の子に殺意湧いたの初めてなんだけど。ってかいつのまに下の名前で呼ぶぐらい仲良くなってたん?」
「あぁあの紅白戦だよ。それで反省会的なのしてからだよ」
紅白戦勝ちたかったなぁほんと。またやって欲しいレベルに面白かったし。
「へぇ、五十嵐今日やけにお洒落してない?いつもポニーテールなのにロングだし軽く化粧してるでしょ?」
「な、なんでわかるの!?確かに髪型はまぁその、ってか化粧なんてほんとわからないレベルなのに。赤星だって気付いてないよ?」
「俺は授業中女の子しか見てないから」
そう、小久保隆俊は馬鹿がつくほどの女好きで中学の頃同時に3人と付き合って浮気がバレてまぁ酷い目にあったのを間近で見てる。キャッチャーで鍛えた観察眼無駄なとこに使ってる感半端じゃないんだけど、、、
「きっも、、、」
「いや流石にそれはきもいわ小久保、、、クラスの子に言ってもいい?」
「やめてくださいお願いします。ってか女の子からこんな拒否反応されたことないんだけど俺。純一今日話行くのやめていいメンタル折れた」
「今まで拒否されてねーのがおかしいんだよ。ふざけんな来るって言ったんだから来い」
「はーい、ってか赤星」
「なによ」
「五十嵐って純一の事好きだろ?」
「な、な、何言ってんのよ!そんなことあるわけないじゃない!」
「おいタカお前いじめられたからって適当なこと言うもんじゃねーぞ」
「あんたの観察眼腐ってんのね同じ捕手として悲しいわ」
3方向から非難を浴びてタカは、
「お、お前らそこまで言うことねーじゃんかよ!あ、北原丁度いいところに!助けてママあいつらがいじめる、うぼぇ!痛い痛いごめんなさい!もう一生ふざけたこと言わないんでその手やめて下さい!」
話しているところにたまたま静が入ってきてタカがふざけてママなんて言うもんだから、、
腹パン→股間蹴り→ローキックなんてフルコンボを貰っていた。
「キーキーうるさいわね、この教室猿なんて飼ってたかしら。純一、この猿動物園に返すから縄持ってきて縛り上げて」
「いや流石にそれわ、、、ってかタカお前が悪い。そろそろHR始まんぞ」
「ちきしょう、、、」
「「ハハハ」」
赤星さんと早苗ちゃんは乾いた笑いしか出ていなかった。
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放課後になると俺とタカは中庭でゆかりさんと合流して野村監督のいる職員室へと向かった。
「そーいや純一君先生に言うこととか何か考えてきた?」
「え?普通に証拠の写メ見して終わりじゃないんすか?特に何も考えてませんよ」
その瞬間ゆかりさんの表情が表から裏に変わった。気がした、、、
「あんたばかぁ?あのね、写メだけ見せても通じるかもだけどあんたが強く出なきゃあいつの暴論で丸め込まれる危険性だってあるんだからね?ねぇ、聞いてんの?」
なんかやけに突っかかってくんなぁ、、、なんかいつもより酷いぞこれ。
「あのゆかりさん?」
「なによ」
「今日学校で何かあったからって俺にあたるのはどうかと、、、」
「だってあんたドMでしょ?菜華ちゃんから聞いたわよ。ゆかりさんみたいな綺麗な人に罵られたらじゅんにぃめちゃくちゃ喜びますよ!ってだから丁度いいかなって」
「ドMじゃないです!ってか何があったんです、、、」
「いつものよ」
そう言って鞄から4通の手紙を俺に見せるゆかりさん。
「あぁラブレターですか。いいじゃないすか」
「はぁ!?なんで興味もないやつに貰って喜べんのよ。だいたい男なら手紙なんかコソコソやらずに直接言わないやつはだめだわ。それに見てよこの人の内容」
「はぁ、、そうすか。えっと」
内容はまぁ酷かった。あなたの事を毎日考えて自慰してます。だとか学園の姫をこれから白馬に乗って迎えに行くとかまであった。
「先輩こいつに関してはセクハラなんじゃ、、、」
「もう何度目かわからないわ。わかった?姫演じるのも大変なのよ」
「えぇまぁ、、、ってかタカもいるんすけどガン無視すか」
「あぁいたんだ小久保君おはよ」
わざとらしく表モードの笑顔で話すゆかりさん。なんか朝からタカの扱いが不遇な気がする、、、
「いや、俺裏知ってるんで普通でいいすよ。もう違和感しかないですわ」
「はいはい、無駄話しちゃったわねとっとと行きましょ」
「「はい」」
俺らは野村監督の元へと向かった。
次回更新は3~5日後の予定です!
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