洞窟よりの出発
この小説には、金槌ニャンコ、鏡妖怪の人の立ち位置、などが含まれます。
苦手な方は去っていく夏を懐かしみながら回避を!
そうでない方はゆっくりしていってくださいね!
ギギィ・・・と微妙に軋みながら、ゆっくりと木の門が開く。
それほど力を入れて開けていないのか門の扉の動きが緩やかになっていき、子供1人程が通れる位の隙間を生み出して扉が静止する。
――誰が来るんだろう・・・。
抜けた腰を元に戻そうと力を入れながら隙間を観察していると・・・・・・。
そこから湧き出るように赤黒い毛玉が金属塊を背負ったまま行列を組んで出てきた。
身の危険を感じ、目の前にいる遮蔽物を腕ひしぎで固定してそれに隠れる。
・・・腕ひしぎされてる時点で後ろに居る事バレバレなのに行列の最後に居たでっかい毛玉が門の隙間から見えた時点で気が付いた。
「放せっ!
腕が折れるだろッ!私は脆いんだぞ!」
「あの暴風みたいな巫女がいるとこに住んでる自体で僕より耐久値高いでしょッ!」
「私も好きでやってる訳じゃないっ!
式神にされてるんだから逃げれないんだよッ!」
言い争いをしながら、その相手の背中に隠れていると、他のものより少し大きな毛玉が門の扉に金属塊を引っ掛けて逆さまに地面に叩きつけられたのが見えた。
「がふぅっ!?」
――あれ?何か聞き覚えのある声。
体から二つの突起を伸ばしてぶつけた所に当てて悶えている毛玉を見て、頭が空回りをやめて元に戻る。
「・・・・・・アーサー?」
正気に戻って毛玉をよく見ると帰り血で血まみれになった猫達で、
ひときわ大きい毛玉は同じく血まみれなアーサーだった。
――この血、誰の!?
見知った相手だと分かって少し落ちついた頭がまた別の議題で混乱を始める。
――この前池の光を浴びてから考えが纏まりづらくなってるきがするな・・・・・・。
体の異変を今頃に気付いた所で強打した腰をさすっていたアーサーが再起動し、こちらに気がつく。
「ん?
玉兎、どこいくんだ?こっちからは外に出れないぞ?」
「え?
何でですか?此方が参道のある本殿の方じゃ・・・。」
「玉兎・・・、ひとまず言っておくが参道が接しているのは拝殿で、ウチの本殿はまだ見せてない筈だぞ?」
曰く、拝殿とかいう賽銭箱のある方の建物の奥の扉から異世界的なとこにある本殿に行くそうだ。
・・・・・・本殿って賽銭箱のある所じゃなかったのか・・・・・・知らなかった。
呆れながらに神社の構造の説明をさも常識であるかのようにされていると、いつの間にか他の猫達が綺麗になって戻ってきた。
風呂に入ってきたらしい。
「アーサー様ぁ、風間をボコった時に使った金槌はどうします?
何か呪い的な何かがかかってそうなんですけど・・・。」
「ホロウ姉妹にでも渡しておけ。
・・・自分の異変の後片付けで何かヤバイのの処理してるらしいし役に立つだろう。」
――どうやら、この通行止めの原因は風間をよってたかってボコっていたせいだったようだ。
・・・・・・因果応報なんだろうなぁ。
会話が始まったせいで空気に成り下がった事を気にせず、隣に棒立ちになってアーサー、輝美とその他の猫達の話の聞き手になることにした。
「あ、忘れてた。
ランスロット、ちょっと走ってきて桜様の荷物持ってきといて?あの配達物。
輝美さんは、受け渡しの後、送迎よろしくお願いしますね。」
「了解した。王よ」
「わかったよ、アーサー。
・・・・・・まだ、風間はボコれる?」
桜やその他の人達が後片付けをしている間、
輝美さんやアーサー達にしわ寄せが来て風間へのヘイト値が天元突破で突き抜けているらしい。
・・・・・・結果、アーサーの付き猫の白騎士曰く、風間はこの門の向こうでストレスのはけ口として滅多打ちになっているそうで、朝の地震はこれのせいだそうだ。
――巫女が岩壁に刺さる場所なだけに一概に否定できないのがすごい。
ただ待っていることに飽きが来てしりとりを開始した頃、やっと黒騎士が3つの包みと手紙を持って来て準備が終わる。
――初めの目的地は・・・・・・追加されていた荷物の届け先の玄武の沢だ。




