桜のひみつ
この小説には、
桜のひみつ、作者の自己解釈祭りへの布石、等が含まれています!
苦手な方は回避を。
そうでない方はゆっくりしていってくださいね!
「ううぅぅぅ・・・。」
頭の中で打楽器を全力で連打されているみたいな頭痛で目が覚める。
気分は正直二日酔いの方がマシなレベルだ。
「やっと起きた?」
枕元には誰かが居たようだ。
内装からして桜のトコなのだろうがこの声は聞いたことが無い。
桜の声をある程度幼くした様な声だ。
話し方も桜に似ているが、発音の所々に何処の物か分からない訛りが有って別人だと解る。
「あ・・・おはようございます・・・・・・。」
何とか体をひねって顔を覗こうとすると、
頭を教科書サイズの本で叩かれる。
「私の姿をみたら多分混乱してしまうだろうから・・・。
ニギちゃんがこっちに向かうまでこのままで、ね?」
「あっ、はい。」
言及を許さない圧力的なものを感じたので、黙る。
――・・・・・・ん?
ニギって誰だ?
池で気を失った後に何か聞いた気がするんだけど・・・。
疑問を飲み込み、後に黒墨辺りにでも聞くことにした。枕の周りに居るようなのでちょうどいいし。
後ろにいる誰かの腕で頭を正面に固定された状態のまま思案していると、
板張りの廊下をどたどたと走ってくる音が聞こえる。
「サキミ!玉兎が起きたってほんとうかっ!」
「ニギ、少しは落ち着きなよ。
大魔 桜大魔砲陣 」
障子を勢い良く開け放ち、ニギと呼ばれた少女が飛び込んでくる。
そして、それが誰かがわかる前にサキミと呼ばれた少女が僕の頭をロックしたままに三方向からマスパを放って追い出す。
「ぎゃんっ!?」
――頭から石壁に突き刺さるとか、色々おかしいでしょ・・・・・・。
・・・というか、何処かでこの光景見た気が・・・。
「痛ぅ・・・・・・。手加減くらいしてよ・・・サキミ・・・。」
足の力だけで腰まで埋まっていた体を引き抜くという妙技をしながら巫女服の少女が壁から抜け出す。
「え!?」
ニギと呼ばれた少女はここの巫女、安倍桜だった。
――別名って訳じゃなさそうだけど・・・。
「サキミ、ご苦労さま。代理ありがとね。」
「なら、お礼で桃一ガロンよろしくね?」
「お礼はいいけど、桃の単位はガロンじゃないと・・・。」
「いや、桃のなかに含まれる水を抜いた体積のことにきまってるでしょ?」
「・・・・・・果樹園をいくら開発すればいいんだよ・・・。」
頭をロックしていた少女が桜とハイタッチをした後すぐさま地味に法外な対価を請求した。
――何か恐ろしいボッタクリを見てしまったな・・・
桜の顔が引き攣っていたのは絶対気の所為じゃないはずだ。
濃縮率が恐ろしいことになったの特特濃果汁で測って約四リットルなんて、元の濃さに戻したらどうなるやら・・・・・・。
「さて、正当な対価を徴収する約束が整った所で・・・
そろそろ混乱し始めているだろうし・・・・・・。」
正当な対価を徴収と言った時点で青ざめてうずくまった桜の肩を掴み、
立ち上がらせながら目の前へと移動する。
――は!?
「「見せてあげる。
これが『私』、安倍桜のひみつだよ!」」
さっきまでサキミと呼ばれていた少女の姿は・・・・・・。
ニギと呼ばれていた桜の幼少期の姿、
そうとしか言えない程の瓜二つな姿形をしていたのだった・・・・・・。




