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火霊との出会い

遅れたけれど、投稿!


この話には、新キャラと、オウム返しとが含まれます!


苦手な方はローリングサンダーとでも叫びながら回転回避を。


そうでない方はさけんでいるひとを見ながらゆっくりしていってくださいね!

「あぅぅ・・・。」


前回より酷い頭痛で起こされ、

意識が覚醒していく。


前回と同じ部屋、同じ布団で起きた。



――確か、昨日は・・・。



昨日の鬼ごっこを思い出しながら、床を這っていく。


――これでアーサーが来たら酒フラグを回避出来ないっ・・・。


押し入れをこじ開け、中に体を滑り込ませる。


――あんな目にあうのは二度とごめんだ。


前回は、アリスに掴まれた服を脱ぎ捨てて全力で逃げ、

アーサーを生贄に魔理沙と早苗をまいた。

あの二人さえ抑えておけば数名の酒飲みを回避するだけで逃げきれたはずだった・・・。

ただ、アリスから逃げ切れなかった。


――シャンハイ部隊に、ゴリアテまで持ち出されたら逃げきれる訳ないじゃないか・・・。


記憶を掘り返しつつ息を潜めていると、

声だけがこちらへ向かってくる。

飛んでいるのか、足音は全く聞こえない。


「おーい、兎やーい!」

「やーいやーい!」


幼い二つの声はこの部屋の中へ入ってきて、

僕を探している。


――今まで聞いたことのない声だし、寝ている間に終わった異変の首謀か、その関係者なのかも・・・。


「クスクスッ・・・。

板一枚位で隠れているつもりになってるなんて・・・。

おかしいね、ウィスプ?」

「えぇ、とってもおかしいわ!」


今の会話を聞き、バレてしまったのを悟る。


――だけどなんでバレたんだ?

身じろぎもし無かったのに・・・。


「「みーつけた!!」」



一瞬でふすまをこじ開けられ、引きずり出される。


「ごきげんよう、兎さん。

気分はいかが?」

「いかがいかが?」


眩しさで見えなくなっていた視界が回復して、

段々姿がみえてきた。


二人とも130は超えていなさそうな身長に、

腰まで伸びたストレートの金髪。

そして、燃えているかのような深紅の瞳。

更に、それを象徴するかのように

ひとつの真っ黒な火の玉が周りに飛んでいる。


姉は黒い鉄で出来たランタンに白い炎を灯し、

白黒の服を着ている。

魔理沙の冬服からフリルを抜いたらこんな感じになりそうな形だ。


妹は白く燃え上がったハンマーを握り、

姉の白黒を反転させ、フリルを魔理沙の倍につけたような服をかさばらせている。


「自己紹介がまだだったね。

私は日本風に言うならホロウ・ランタン。

さまよえる罪人の焔の二つ名を持ってるわ。」

「私は私はホロウ・ウィスプよ!

二つ名は許されぬ罪人の種火の二つ名よ!」


――ランタンにウィスプって事は・・・。

ジャック・オ・ランタンとウィル・オ・ウィスプか。

天国にも地獄にも行けなかったヨーロッパの火霊・・・。

悪魔をも騙した詐欺師・・・。



「その顔は・・・。

私達の元の姿を知ってるみたいだね・・・。」

「だねだね・・・。」


見ている目が変わったのがバレた様で、

少し軽蔑した目で見られる。


「やった事を考えると、しょうがないけど・・・。


お腹・・・すいてるでしょ?

宴会のせいで三日はなにも食べてないんだし。」

「そうだよそうだよ!

大変大変!」



「そうですね・・・。

確かにお腹は好きっぱなしですね。」


そろそろ妹の方がうざったらしくなってきた、

と思いながら返事を返すとちょうどお腹が鳴った。


「主人が朝食作って待ってるからついて来て。

お茶漬けくらいしかはいらないでしょ?

二日酔いだし。」

「ついてくるのよっ、ハリー(急げ)ハリー(急げ)!」


妹のテンションが明らかにおかしいことになっているのをスルーし、ランタンと名乗る幽霊に着いていく。


――透けてないから幽霊に入れて良いのか分からないけど幽々子様もすけてないし、ま、いいか。




板で張られた廊下を歩いていき、

ガラス戸を引き開ける。



「ん?

やっと起きたのか?

ほら、ひとまず腹に入れろ。

無理しすぎると体調崩すぞ?」


「ありがと・・・。」


鮭茶漬けを桜が三つ差し出し、

それを受け取って姉妹と共に丸太のテーブルにつく。


「「「いただきます!」」」


汁ごとかきこんで飲み込むように食べていく。


塩の効いた出汁が米の旨さを引き立て、

腹が減っていたのも相まって二杯三杯と収まっていく。

ドンブリ一杯位が限界だった筈なのに

勢いでどんどん入る。


・・・結局、五杯目で満腹になった。

どうやら、妖獣が混ざったせいで胃の容量が増えたみたいだ。


食べ終わったのを見計らい、桜は袖から猫を二匹ほど引き出して洗い物を任せると目の前に座る。


初めに見た茶色に染まり、古くてボロかった服は幻想郷風巫女服に変わっており、

桜の模様が刺繍されている。

少しくすんだ色をしていた髪はつやを取り戻し、

これまた桜色をしている。


「さて、どこから話そうか?

君が寝ているあいだの異変の話。

夢殿の説明。

夢兎の特性の説明。

あとは・・・。



今日の運勢あたり?」


袖からタロットカードに竹の棒などを出していく。水晶玉に託宣板まで出し始めたので流石にそろそろやばいかな・・・と思って止める。


「占いの道具はそれくらいでいいですから・・・。

まずは異変の話からでいいですか?」


「ああ、わかったよ。

じゃあ・・・。」


「本当に分かりましたか・・・?

腕は占いを始めていますけど・・・。」


タロットカードカードをシャッフルし始めるのを右手で抑えて話を続けてもらう。


「全ての始まりは、

私の連絡ミスから始まった訳なんだ・・・。」


桜は口を開き、

後に古神大異変と呼ばれる異変の後半。


炎霊異変の真実を紡ぎ始める。




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