【東方兎録番外編】昼下がり、人里で。
番外編2話
ちょっと投稿が遅れたけれど、更新!
ゆっくりしていってくださいね!
~~~~~~~~~幻想郷、人里~~~~~~~~
「ふぅ・・・
食べた食べたぁ・・・。」
蕎麦処と書かれたのれんを跳ね上げ、外へと出る。
忌々しいほど太陽は眩しく、雲はまるでおととい私を撃ち落としたあのクソ兎のよう・・・。
「止め止め!
あんなことを思い出すより取材をしなきゃっ!」
『風評帳』と書かれた手帳を開き、
懐から出した筆入れの小筆を走らせる。
「陶器屋の真向かいに、美味しい蕎麦屋が有るらしい 、は本当だった・・・と。」
真とつらつらと書かれた文章の下に書き入れ
太陽に当てて乾かす。
油紙が有れば良かったのだが、
燃え易いので兎に全部焼かれてしまった。
質の悪い物を使って仕事道具を汚すわけにもいかず
道行く人に変な目で見られるというざまである。
「次は・・・っと。」
少し傷ついて涙目になったけど、
取材はまだまだ続きがあるのだ。
立ち止まってなんて、居られない。
手帳のページをめくり、
次の取材を確認する。
「里の南端付近に不定期で大判焼きの屋台がでる・・・らしい、か。」
――歩いていくには遠いし、飛ぶっきゃないか・・・。
背中の黒翼を羽ばたかせ、空へと舞い上がる。
商売敵の文やはたてと比べると一回り小さな翼で風を掴み、屋根の少し上を飛ぶ。
「空いてるといいなっ!」
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「ふふふ・・・。」
大判焼きの袋を抱え、木陰に座る。
懐からまた例の手帳を取り出し、真、と記す。
そして、次のページをめくり、
そこには確認不可、の字を書き込む。
「幻の大判焼きって、どんな感じなんだろ・・・。
ま、大判焼き美味しかったから良しとしよっ!」
――確認はしたかったけれど、私の能力じゃ待つしかできないからな・・・。
今日の記事を書き上げるためにまた飛び立とうとすると・・・
頭に電流が流れるような感じがして、
断片的な会話が聞こえてくる。
――来たっ!
「椛隊長・・・報告・・・・・・・・・人・・・・近づく・・。」
「・・・・・・外来人・・・・・・・・・。」
「・・・・白狼・・・・・・対処・・・・・・死も・・・。」
――んなっ!
勢い良く飛び上がり、人里を一気に駆け抜ける。
下で沢山の人が見ているが、気にしている暇はない。
「外来人は山の掟も、怖さも知らないっ!
白狼天狗に殺されでもしたらスクープの種が無くなっちゃうっ!」
紙袋を大事に抱えたまま、
スペルカードと相棒とも言える仕事道具の1つを取り出し、
山へと飛ぶ。
――今度こそは文より速いスクープを独占してやるっ!
真偽不明の新聞記者の二つなを返上すべく、
私、こと風野 頼梨は羽ばたきを増していくのだった・・・。
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~~~~~~外来人side(清水)~~~~~~
「う・・・ん・・・・・・。
あれ?生きてる?」
――頬をつねると痛いし現実であるのは確かみたいだけど・・・。
あたりを見渡すと、ちょうど一mほど離れた場所に石つららが逆立っており、
その上には見覚えのある崖が有る。
――後少しでここにざっくり、といってた訳だ・・・。
「・・・あれ?・・杏鈴は?」
起こりえた結末に背筋を寒くさせた後、
相棒はどうなったのかに考えが行き着き辺りを見渡す。
――ここら一体はほぼ全てが落ち葉の絨毯になっているから相棒も運が余程悪くない限り死んではいない。
頭から落ちてもなんとかなりそうなくらいふっかふかだし・・・。
厚く積もった落ち葉を払いのけながら探していると、
見覚えのあるリュックを見つけ、相棒を掘り当てる。
どうやら真隣に埋もれていたようだ。
変に探しすぎたようでちょっと時間をくってしまった。
「良かった・・・・・・無事で・・・。」
無傷を確認し安心していると、不意にまた後ろに足音が現れる。
「お二方、ようこそ。
素晴らしき幻想へ・・・。」
「また・・・あんたか・・・・・・。」
「あれ・・・無事?!」
そこでやっと、
気付けにずっと叩いていた相棒が目を覚ます。
「あ!さっきの人。また会いましたね!」
「どうも丁寧に・・・。
では、お二方がお目覚めになりましたし改めて。
幻想へようこそ。」
警戒心のけの字もない相棒にすこし呆れながらも、
目は女性から離さない。
――こいつは、やっぱり警戒すべきだ。
出てきた3回とも足音が有り得ない場所から始まってる。
今までのはやっぱり気のせいじゃない・・・。
ここは警戒してるのがバレてるみたいだし、
食ってかかって情報を引き出せないか・・・な。
「さっきから幻想幻想って・・・。
結局なんなの!?」
「幻想は幻想・・・。
それ以上でもそれ以下でもないものよ・・・。」
含みをもった意味不明な返され情報は得られそうに無さそうであることを悟る。
「此処は忘れ去られたもの達の行き着く終着地。
幻想、となったもの達の集う場所。
忘れられた秘境・・・とでもいったところですわ。
失われた美しさも、失われた興味深いものもたくさんありますわ。
退屈はしないでしょう・・・。」
相棒の目が今日の中で最高に輝き、
その目は女性を射抜き続けている。
――不味い・・・。
杏鈴が止まれなくなってる・・・。
前回こうなった時も酷い目に逢うまで静止が聞かなかった事を思い出し、落ちきるまで一緒に居る事を決意する。
――私が守らなきゃ・・・。
女性の表情からいきなり胡散臭さが抜け、
真剣な表情になる。
そして、口元を隠していた扇を閉じて口を開く。
「さて・・・、
貴女がたにお願いがあるのですわ。」
その後に聞こえた言葉に耳を疑った。
――こんなのじゃ、協力するしかないじゃない・・・。
こうして、
私達はこの胡散臭い妖怪・・・八雲紫へ協力しなければいけなくなったのだった・・・・・・。




