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紅白の夢
シリアス全力走行中
この話は、他の場所との作りの違いなどが多量に含まれています。
苦手な方は、回避行動をとってください。
回避しない方々は、ゆっくりしていってくださいね。
兎は夢を見る。
今度の夢は、二色の夢。
僕は、気付くと、また夢を見ていた。
場所は和室のような所だ。
そこには、
赤と白の服を着た。巫女服の女性が布団の上に寝ていた。
姿からして、30代位であろう。
青ざめたその女性の傍に、小さな子供が泣いている。
何故かその姿はぼやけ、女性と同じ服を着ていることしか分からない。
「お母さんっお母さんっ!!」
女性は、少女の母親であったようだ、
「諦めなさい、もう、手遅れよ。」
ぼやけた、紫の少女が諦めた様に、
赤白の少女をさとすが、
嗚咽の声は殺せていない。
「紫、私の娘と、愛しき楽園をよろしく頼むわね。」
女性は、紫と呼ばれた少女の手を握り、
震える声で言うと、そのまま、生きたえた。
「おかーさーん!!」
後には、紅白少女の悲痛な叫び声と、
「くっ、うっ、」
声を殺し、さめざめと泣く、紫の少女の
泣き声のみが響くのだった。




