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第二十八話 揺るぎない決意

一週間後のことだった

携帯が鳴った…

誰からだろう…とみてみると修二からだった


《明後日の朝、金沢に戻る。あれからずっと夕子のことが忘れられないんだ…夕子、僕の傍にいてくれないか…ついてきてほしいんだ、金沢に…僕には夕子が必要なんだ…夕子の気持ちはこの前聞いて知っている…だけどもし、心変わりしていたら一緒にきてくれ…明後日9時、新大阪で待ってる…》

修二からのメールは正直いってうれしかった

そんなにも想ってくれていたなんて知らなかった…


あの時私を救ってくれたのは夫でも誰でもない…

修二だった

明後日、私は新大阪へ向かった

私は走ってホームへ向かう

椅子に座って俯いている修二がみえた

私は修二の傍に歩いていく

修二がふっと顔を上げた…

視線が合う…

修二は私のほうへ駆け寄ってきた

「夕子…逢いたかった…」と私をぎゅっと抱きしめる

私はその手をふりほどいた…

修二はわからないという顔をしている

「修二…私が一番苦しかった時、つらかった時傍にいてくれてありがとう…ありがとうって修二に会っていいたかったの。この前、電話で伝えたのはあなたに会うときっとまだ揺らいでしまいそうな気がしたから…」

「今日は…?一緒にきてくれないのか…?」

「ありがとうを伝えたかったの。もうあなたにあっても揺らいだりしない。最後までわがままな女でごめんね。修二の傍にいたらずっと愛してもらえたかもしれないのにね。さよなら…ほんとにありがとう」


修二は無言で電車に乗った…

私は握っていた手を離した…


さよなら…修二


もう二度と逢うことはないだろうけど、修二のことは忘れないよ

修二が傍にいてくれたから私は私でいることができたのだから

女としてみてもらえてうれしかった

でも私は修二の気持ちに私は甘えていたのかもしれない

甘えれば優しく抱きしめてくれる修二に酔っていた

そして私はその気持ちよさと引き換えに佳奈を失ってしまったのだ


それで私は目が覚めた

佳奈が教えてくれたんだ

これは愛じゃないと…

私が愛していたのは…

愛されたかったのは…


夫だった


夫に裏切られた私は自分の本当の気持ちを見失い修二の優しさに溺れていった

でも彼がいたから私は生きていけた

あの時もし出逢わなければ…

きっと今の私はいない…夫を許せた自分なんていないはずだ

だから彼には感謝している

彼に逢えてよかった…

こんな気持ちをもう一度味わえるなんて思ってもいなかった

私は修二との思い出を大切に心の隅にしまいこんだ

もう二度と夫を裏切ることがないように…

ようやく執筆ができました。ラスト一話で完結します。あともう少しお付き合いくださいね

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