第二十七話 別離
私は修二に別れを告げるため最後に一度だけ連絡をとることにした
会って話すときっと修二の優しい声揺らいでしまう…
でもメールでは一方的すぎる気がした
電話ならちゃんと自分の声で伝えられる…
触れない距離で話しができる
私は夫が仕事にいってから修二に電話をかけた
「もしもし。夕子?」
「何度もメールくれていたのに、ごめんね。」
「佳奈ちゃんのこと新聞でみた…夕子絶対自分を追い詰めてるだろうと思って心配してた
電話くれたのは少し落ち着いた?気持ちの整理できた?」
「うん…もう大丈夫
沈んでいても佳奈が戻ってくるわけじゃないし、これからは前向きに生きていかなきゃって思ってるの」
「そっか…それなら安心した」
「修二と出逢えたこと、後悔してない
数カ月だったけど、ホントに幸せだった。今までありがとう…」「僕も夕子に出逢えてよかった…これで最後なのか…?」
「もう修二とは逢えない…佳奈と約束したから
夫とやり直す約束…だからこれでもう、連絡しないから…」
「わかった…夕子にはもう僕は必要ないんだね
ねえ、夕子…もしこんなことになってなかったら夕子は僕のそばにいてくれた?
旦那さんと別れるつもりだって話していたよね?」修二を愛していた…
でも、それは言えない
言ってはいけない
「もしも…なんてない
私の現実は佳奈が死んじゃったこと…
それしかないの
だからもしもの答はだせない」
「僕は夕子を愛している…今でもそれはわかっていて…僕はいつでも夕子からの電話待ってる
僕からは絶対にかけないから…夕子、もう一つだけ言ってもいいかな」
「うん…」修二の声が切ない…
早く電話を切らないとまた私の心が揺れてしまいそうだった
「佳奈ちゃんの為に旦那さんとやり直すんだよね…夕子の気持ちはどうなの?夕子の気持ちを隠してやり直しても佳奈ちゃん喜ばないんじゃないかな」
「今はそう…無理にかもしれない。だって今まであれだけ裏切られて、はい仲良くしましょう…なんてできるわけない
でもね、その前はホントに大好きだった…愛していた
佳奈が結婚する前にお腹にきたのも私達を結びつけるためだったのかもしれない
佳奈がお腹にこなかったら私達は結婚してなかったかもしれない
佳奈が産まれてきたことが私達が愛し合っていた証拠なんだと思う
ほんとに長い時間がかかるだろうけど夫とやり直したい…そう本心から思ってる
きっと私にもいけない所があったの
愛されるだけじゃなくて、自分から愛さなくちゃだめなんだってわかった
修二を愛したことでわかったの
愛し合って結婚したってお互いがお互いをずっと必要としなければ夫婦愛も家族愛も成り立たないんじゃないかな
お互いを必要とする引力があるから家庭が丸くなるんじゃないかな
そうじゃなかったからバラバラに崩れさったんだと思う
よく話しをすればよかったんじゃないかって…
今更なんだけど…」「僕のほうが年下みたいだな…夕子はやっぱりしっかりしてるよ
ほんとに僕はもういなくて大丈夫だね
夕子…もう泣くなよ
かわいい顔が台なしだからな
旦那さんと仲良くなれること願ってる
でも…もし、どうしようもなくなったら必ず連絡してくれよ
僕は四月から金沢に戻るから…今まで楽しかった…ありがとな」電話は切れた…
私は夫を裏切ることのないように修二のアドレスを削除した
これで佳奈を裏切らないですむ…と思った
あと少しで完結します。年内は無理かもしれませんが…。