第二十四話 殺人者
私は夫に相談しようかと思ったが、信じてもらえそうになかったので一人で山にいく決意をした
おそらく私に恨みがある人…心辺りはない
ないだけに恐かった
私に直接すればいいのに…
何故弱い佳奈を狙ったのか…許せない
絶対に許せなかった
私は警察に捕まってもいい…
佳奈を殺した犯人を刺すつもりで、ナイフをコートに入れた
私は実家につくとすぐ、山へ向かうことにした
またメールがきた
《一人でこい…でなければ真実は話せない》
私をどこからかみているかのように的確な時間にメールがきた
私はもちろん一人で行くつもりでいた
夫は母と法事の手伝いをしている
私はその隙に山へと車を走らせた
車で30分とかからない
なぜ佳奈が一人で山へ向かったか…
一人でバスに乗るなんて不自然じゃないだろうか佳奈はまだ六歳…
どうして誰も疑わないのだろう…
不審者に連れていかれたんじゃないかって
私は車から降りて山に登始めた
もう暖かい日が続いているから雪は残っていない…
佳奈はこんなところで生き埋めにされて…
殺されて
自分のしたことも許せなかったが犯人はもっと許せなかった
私はひたすら山を上っていった
すると後ろから急に突き飛ばされた
痛っ…
私は木にぶつかって顔をすりむいた
後ろを振り返ると…美加がいる
(どうして美加がこんなところに?)
聞くまでもなく私は美加が犯人だと思った
立ち上がろうとする私を美加は蹴り上げた
「な…に…するのよ…」
私はお腹を押さえながらよろよろと木にもたれる
「美加が佳奈を殺したの…?」
「そうよ…あんたの代わりにね。男とスキーに行くのに佳奈が邪魔だったんでしょ…?お礼でも言ってほしいくらいなんだけど…」
「何いってるのよ…誰がそんなこと…」
「あんたの旦那から全て聞いたわよ。佳奈をあんたの実家に置いてくこともね…」
「どうやって佳奈を連れ出したの」
「簡単だったわよ…かなちゃん、お母さんがスキーしてるの、見に行こうかって話したら手を繋いでついてきたわ。」
「どうして…そんなむごいことを…」
「あら、今回は相当参ったようね…
旦那、寝とったときは何ともなかったのに」
「佳奈をどうして殺したのよ」私は語気を強めた
「まだわかんない?全部私から言わせたいわけ?まさか自分に非がないとか思ってるんじゃないでしょうね?」
私には全く心辺りはなかった
わからなかった
読んでいただいてありがとうございました