第二十話 同じ想い
私はスキーにいく日の前日、実家に帰った
私の姿をみるなり、よほど心配になったのか
ゆっくり温泉にでもつかって、気分転換しておいで…
佳奈はおばあちゃんに任せときと早くいっておいでと追い出された
よほど疲れているようにみえたのだろうか…
母に少しだけ後ろめたい気がした…
私は佳奈が昼寝してから車で実家をあとにした
佳奈を置いてでかけるなんて初めてのことだった
心がちくっと痛んだ
そんな痛みを消すかのように私は車を飛ばした
そして修二に逢いにいった
私は修二に会うと
今までもやもやとしていた自分の気持ちが一瞬にして消え去ったのがわかった
修二は会うなり、佳奈のことを聞いてきた
私は佳奈を実家に預けてきたことを話した
すると修二は少し悩んでこういった
「佳奈ちゃん連れてこれなかったか・・・そうだよな
僕と会ってるとこ旦那さんにバレたらまずいか…夕子無理させてごめん」
「ううん。大丈夫だよ
私も佳奈が春休みの間は実家に帰るの
だからしばらく修二と会えなくなるけど…」
「そっか…しばらく夕子と会えないんだね
毎日会っていたからなんだか寂しいよ」
「ほんとに…だから今日と明日はおもいっきり修二と楽しみたい」
私たちは車に乗り長野へ向かった
私は音楽を聴きながら初めて見る景色を眺めていた
そして私は携帯の電源をOffにした
二人だけの時間を邪魔されたくなかったのだ
無事にスキー場へ着いた私達は早速ウェアと板を借りてゲレンデに向かった
「修二はスキーよくやるの?」
「そうだな…年二回くらいだけど、結構楽しいよ」
「私なんか学校のスキー合宿しか行ったことなくて…足手まといになるかもしれないけど」
「大丈夫。まかせときな。僕がリードするから」
私は恐る恐る滑り出す…なんとか滑れそうだ
「夕子、上手い上手い」
私はすべるのに必死で修二の声が聞こえなかった
あー、緊張した
でも体を使って遊ぶのって気持ちいい
体もあついくらいになってきた
だいぶ慣れてきたころ夕方になってしまい、私達はホテルへ移動した
部屋へ荷物を置き、早速温泉へ行った
温かいお湯が体にしみ渡って行く
昨夜は車のなかで寝たからか・・・肩が痛い
温泉につかりながらもみほぐす
「ずいぶんゆっくり浸かっていたね」と修二に言われてしまった
「久しぶりの温泉だったから気持ちよくて」
「さあ、夕飯たべようか…お腹空いただろ?」
修二は私の手をとって部屋へ連れて行った
部屋に挨拶にきた女将さんは
「きれいな奥さんですね」
と修二に話してきた
奥さん…に見えるのかな
修二の奥さんに
いい年して二人で温泉にきたら誰でもそう思うか…なんて思った
「おいしいね・・・佳奈に…」
言いかけて私は口を塞ぐ
佳奈のことはだすべきではなかった
修二はそんなこと気にもならない様子で私にビールをついでくれた
「おいしいだろ?あとで佳奈ちゃんにもお土産にしてもらおうな」
って言ってくれた
「夕子…愛してる。出逢ってまだ半年だけどずっと前から一緒にいる気がするよ」
と修二は私のおでこにキスをした
口にも胸にも…体中キスしてくれた
そして今夜はベッドの中で二人一緒に眠った
次の朝、目が覚めると横には修二が眠っていた