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第十二話 愛って・・・満たされない想い

私は宮前さんにメールを送っていた

<こんばんは。高原です

この前は携帯ありがとうございました

宮前さん…今度また大阪に来られますか?>

当たり障りのないメールを送った…

返信を待ちながら私は考えていた

私は夫を愛していたから結婚した…

佳奈がいようといまいと関係なく私は夫と結婚していたはずだ

愛している人とずっと一緒にいたい…だから結婚する

でも結婚すれば否応なしに彼氏彼女の関係は薄くなり

子供ができたらなおさら家族という新しい愛の形に変化してゆく…

守るべきものへと変化してゆく

その時には付き合っていたころの感情なんて薄れて消えているかもしれない

それなら女が愛され続けるためには結婚するより

付き合っていたほうが愛されている実感を持ち続けられるのかもしれない

私は夫と結婚しなかったほうが幸せだったんだろうか…

「ブー、ブー…」携帯が鳴る

私はハッと我に帰り携帯をみる…

<こんばんは、宮前です

夕子さんから連絡がないので

メモが落ちてなくなったんだろうと思って諦めてました

夕子さん、元気にしてますか?

僕は今月末に大阪に出張すると思います…

よかったらお昼いかがですか>

返信…きてしまった…

どうしようと思う自分と楽しみにしている自分が私の中にいた

私はなぜ宮前さんにメールしたのだろう…

それはきっと私の中で満たされないものがあったから…

私が私でいたかったから…

それを確認したかったんだろう

私は宮前さんに返信した

<日にちが決まったらメールください

待ってます>

すぐに携帯が鳴る…

早いなあ〜と私は携帯を開けた…

メールは宮前さんではなかった…

以前親友だった美加からのメールだった

<結婚記念日おめでとう〜もう六年だっけ?

いつも幸せそうで羨ましいわ

私も早く幸せになりたいもんだわ

今年もさぞかし豪華にお祝いしたんでしょ〜?>

ほんとにうっとうしい友達へと変わっていた…

ずっと連絡もないのにこういう日だけは必ずメールしてくる

<ありがとう〜

今夜はね〜レストランで夜景をみながら食事して…

最後に薔薇の花束をもらって…

そのあとは私と佳奈にプレゼントを買ってくれたのよ〜

今年はピンクダイヤの指輪だったわ

今年も最高の結婚記念日だったわ

あなたも早く結婚しなさいよ〜女の幸せは結婚しかないんだから…

夫が呼んでるからまた後日メールするわ〜おやすみ>

メールを送ってまた一段と沈み込む…

自分のプライドにかけても今夜のみじめな結婚記念日は誰にも言えなかった…

嘘に嘘を重ねたメールを送ってしまった…

しばらくは会いたくない…

「ブー、ブー」また携帯が鳴る…

私は恐る恐る携帯を開けた…

あ、宮前さんからだ…

<わかったら連絡するね

夕子さんこれからも時々メールしてもいいかな?

迷惑になるようなことはしないから…

じゃまた明日おやすみなさい>

明日からは少し違う毎日がやってきそうで私はドキドキしていた…


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