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指令2

「あ、あ、ああ、ああああああああ!!」


窓ガラスに赤い液体が飛び散る。私はそれをゆっくり触った。


「・・・ごめん」






どうやら私には、人間を思う気持ちというのが出来てしまったようだった。


カナタを思うようになった。


人を同情するようになった。


それは別にこの世界で作った人柄ではない。


私そのものが変わってしまったのだ。




今日も私は男の指令をうける。


最近はどうしてか、人を殺すという指令が多い。


慣れて行くはずが、日に日につらい思いがこみ上げて来た。


私のような生き物の中でトップクラスの私が、人を愛でようとしている。


恐ろしい話だ。




「実!お前最近なんか元気なくね?」


「カナタくん・・・」


家に帰ろうとする私をカナタが呼び止めた。


「なんかさ、いつもうつむいてるよ。なんかあったら言ってみ?ん?」


カナタは笑顔で私の顔を覗き込む。なにかあったときの癖だ。


「か、カナタくん・・・・、が、好き・・・です。じゃ!!!」


一度うつむいて反り返って、全速力で走り校門を出た。


なにを言っているんだ私は


意味が分からない


第一私とカナタは付き合っているのだぞ


近くの公園で立ち止まって泣いた。



もうこんな人生は嫌だ。



人や物を壊し、訳のわからぬ命令をうけて


胸の内に全てを秘めて行き続ける。


こんなことを思っているのは私だけだろうか。


もう、なにも壊したくない。



ひたすら泣いて こう決めた。





指令は

聞いてやらない




決めた。


私はもう



恋人や親友を持って



この世で生きていく。

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