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夢と希望そして未来へ

僕は大阪に旅立つ前に飼っている猫のおさむを祖母に預けに行った。


僕は祖母には仕事で大阪に行くと伝え、 その場を去ろうとした。


『勝利、むちゃしたらあかんで、 気おつけていくんやで』


振り返ると祖母は涙を流していた。


『なに泣いてんねんばぁちゃん、 泣いたら行きにくいやん、 心配せんでいいから、 安全運転で行くし、 すぐ帰って来るから』


僕は胸が苦しかった。


心配性の祖母には本当の事は言えない、 祖母に嘘をつくのが辛かった。


そして大阪に経つ当日、 いきなり知らない外国の番号から一本の電話が鳴った。


相手は実母、 ヤンミーだった。


ヤンミーからの内容はとても自分勝ってな物だった。


『勝利に会いたい、 とても会いたい、

お母さん今、 勝利に誇れる母になるためにアメリカのクリスチャンの大学院生になって牧師になるため勉強してるのよ、 これからは勝利はお金の心配も仕事も何もしなくていいから、 お父さんにも、ばぁちゃんにも黙ってアメリカに来て一緒に暮らそう、 費用もすべて送るから』


ヤンミーの実家はソウルにあり男達は皆軍人で父は元軍人のエリートでソウルの警視総監を務めている由緒ある家庭で叔父は病院の院長をしていると聞いている。


それにヤンミーは元々キリスト教の信者で、僕も洗礼を受けてクリスチャンだ。


しかし僕は父から金は自分で稼ぐ物だと教えられ、父からそんな柔に育てられてはいない。


僕は腹が立ち『ふざけるな!ヤンミーは自分の事しか考えてない、 俺が黙ってアメリカに行ったら俺の家族はどう思うとか考えないのか』


そう言って電話を切ろうとするとヤンミーが『お母さん元々、心臓が悪いのは知ってるでしょ勝利、 お母さんいつ死ぬかわからない、 お願い勝利、 とても会いたい』


僕にとっての母親は勝恋ただ一人だが、 ヤンミーがいなかったら僕が産まれてないのも事実だ。


ヤンミーもずっと一人で生きてきて寂しかったのだろう、 僕も子供の頃、父に早く会いたかったのと同じようにヤンミーも僕に会いたい気持ちを二十年間我慢していた、 そう思うとヤンミーにも少しぐらい母親をさせてもいいのだろうそう思った。


また僕自身いつかはアメリカに行くと決めていた。


これもいい機会なのかもしれない、 僕は大阪での治療が終わるとアメリカに渡る事を決めた。


その日の内に留学ビザを取るのに必要な書類を集め大阪にむかった。


車で下道を通り約10時間の道乗りをただ走り続けた。


病気が治り明るい未来が訪れるのを信じて。



大阪に着きまず市役所で阪大病院に入院するまでの間住む医療施設への申請を出し、 施設に空きが出るまでの間、 大阪にいる友達の家でお世話になる事になった。


神道 智治しんどうともはる


智治は使徒と地元が同じ奄美大島出身で十七才の頃大分に来て、21才で大阪に渡った。


智治とは十七才の頃、使徒から『勝利に合わせたい奴等がいる、 凄く熱い心を持った奴等やけん絶対仲良くなれる』


そう言って会わせてくれたのが、 智治、 雄心ゆうしん幸神こうしん太一たいち、 この四人だった。


この四人は皆それぞれバラバラに自分の夢に向かい、 希望を持ち夢を追って都会へと旅だって行ったが気持ちは一つだと思っている。


今でもこの四人は僕にとって大切な存在だ。


智治はそんな四人の中でもとても熱い心の持ち主で皆のまとめ役、 リーダー的存在だった。


そんな智治と二年振りの再開をはたしその日は朝方まで語り明かした。


それからしばらくしてある事件がおきた。


ヤンミーから僕の事情など関係なく毎日のように何回も電話がかかってきた。


ヤンミーは留守電に『勝利なんで電話にでないの、 なんでそんなに人の気持ちを考えられない人間に育ったの、 お父さんの育て方が悪かったのね、

人が心配してるのに電話にでないなんかクズのする事や、 クズにはイエス様から天罰がくだる』


ヤンミーは僕の体調や用事など考えていない、 ましてやアメリカと日本じゃ時差がありヤンミーが掛けてくる時はいつも寝ている、 そんな自分勝ってなヤンミーに対し僕はかなり嫌気がさしていた。


この時僕はアメリカ行きはヤンミーは関係なく行くと決めた。


そして父はよくこんな人と十年近く暮らし耐えれた物だと、 父の我慢強さに感心した。


そんなヤンミーに対し僕は電話で口論になり僕は強制的に電話をきり苛立ちながらタバコを買いに外に出た。


コンビニに着くとそこにはコンビニの前で一人ビールを飲み、 酔っ払っている男性がいた。


僕はコンビニに入る間際、 苛立っていたためか、 つい『邪魔くさッ』と口に出してしまった。


するとその言葉を聞き逃していなかった男性から腕を掴まれいきなり殴りかかってきた。


僕は軽く躱し次の攻撃に備え掴まれていた手を払った。


僕はいつもなら酔っ払いの相手なんかしないがこの時は苛立ちを抑えるいいカモだと思って容赦無く攻撃を浴びせた。


そして完全に相手が戦意を無くし謝って来た時、僕は身体が動かなくなって全身に激痛が走り、 心臓の鼓動が早くなっているのに気が付いた。


僕は激痛が走る身体を引きずりながら智治の家の前まで帰った。


この時僕は座る事も出来ないぐらい激痛が身体を走り、 心臓が異常なほど早まっていた。


、、、、ヤバイ、、そう思い震える手で必死に救急車を呼んだ。


、、そこから僕は記憶が途切れている。


気が付いた時には私立病院のICU(緊急治療室)の中だった。


それからしばらくして先生が来て容態の説明をしてくれた。


僕はいつものCPK(筋肉の数値)が十万まで上がり、 心臓の数値であるBNPナトリウムが異常なまでに跳ね上がり一時、心臓が止まっていたと言う。


CPKは90〜120までが通常とされていて僕は今までも最高が一万六千だ。


それが十万まで跳ね上がり一時的とはいえ心臓が止まっていた。


この時僕は始めて死の恐怖を覚え、僕は本当にボクシングは出来ないのだと痛感した。


そして数日が過ぎた夜テレビで奇しくも僕の好きなボクシング六階球制覇マニー・パッキャオのドキュメント番組をやっていた。


僕はそれを見ながら【俺もこの舞台に立ちたかったな、立つはずだったのに】


そんな事を思っていると使徒から電話が、

『テレビ見てるか、 パッキャオすげーな、 これ見てたら勝利があらゆる格闘技の中からボクシングにこだわり世界を目指してたのがなんとなく分かる気がするわ、 要するに俺が言いたいのはアレや、、そのー俺がお前の夢を引き継いでもいいぞって事や、、やから早くそんな病気に終いつけて帰ってこい、 んで俺にボクシング教えろや』


使徒は俺の状態を智治から聞いていたがそんな事は言わずに、最後にただ一言。


『一度死んだも同じ人生や、 もう負けんな』


僕は『うん、うん』


この言葉しかでなかった。


ありがとう。


使徒のその言葉で僕は【やってやる】

使徒にも負けないぐらいの何かを、 俺でもやればできるって事をみせてやる、 そう思えた。


しかしこの時はまだその【何か】をまだ分からずにいた。


そしてまた思いもよらない人がお見舞いに来てくれた。


なんと僕の父、坂下健が駆けつけてくれた。


僕は突然の再会に戸惑い言葉が出なかった。


なんの知らせもなくましてや勘当され二年振りの父の姿に僕はもう一度、心臓が止まるかと思うそれほどビックリし、嬉しかった。


その時の僕にとって一番会いたかった存在だったから、僕は言葉がでなかった。


父もまたただ黙って僕を見ている、最後に一言だけ


『早く治せ、じゃねーと怒りたい事が山ほどあるのにそんな体じゃ何も言えん、早く治せ』


そう言ってすぐに帰って行った。


しかし僕はその短い言葉にたくさんの意味がある事を僕は感じとった。


父のあんなに心配そうな顔は見た事なかったから。


親父、ありがとう。




それから二週間が過ぎた時、 いい知らせが、 なんと予約で二ヶ月待ちだった阪大病院に一週間だけ検査入院できる事になり、 僕はそのまま阪大病院に移動した。


阪大病院に入院初日に今までの病院で一度もした事のない特殊な血液検査をした。


腕や足に針を刺し、その後、腕と足を縛り付け圧をかけながら血液を採取するという物だった。


それから数日が経ち、 大分のどの病院でも分からなかった僕の病気の原因、 病名を告げられた。


病名は筋型糖原病と言う物らしい、 筋型糖原病といっても種類が十二種類ありその中でも僕の病名はVII型垂井病だ。


この病気は人より糖が少なく人より摂取できる酸素量も少なく運動すると筋肉や身体にうまくエネルギーが回らず酸素も取れないため心臓が止まり死に至る病気だ。


僕は生まれながらにこの病気を持っていたらしく、 エネルギーをうまく取れないせいで風邪ひきやすく、うまく成長出来なかったらしい。


主治医にボクシングしていた事を伝えると


『奇跡だ!よく生きていましたね』と驚いていた。


また筋型糖原病は十二種類あるなかでも最も有名な物は筋ジストロフィーやポンペ病だ。


僕の垂井病はその筋ジストロフィーやポンペ病よりは症状は軽いがその二つの病気より極めて珍しいらしく一万人に一人の病気だと言う。


これを聞いた時僕は、正直そんなにショックはなかった。


ただやっと原因が分かったと言う嬉しさの方が勝っていた。


そして一週間が経ち、一時的に退院しまた一ヶ月ごに手術があるため再入院する事になった。


そして僕は大阪にある、 とある医療施設に入った。


しかし医療施設とは名ばかりでその多くが刑務所から出て来て行く所がない人や、生活保護目当ての浮浪者ばかりだった。


なかには病気や怪我、精神的ダメージからどうしようもなく此処にいる人もいる。


どうにか這い上がるため必死でもがいて目を輝かし頑張っている人もいる。


しかし大半が今の現状に満足して、みんな輝きを失った目をしている。


僕はその人達を否定する分けではないが、 ただ僕は将来、爺さんになった時この人達と一緒の目をして輝きを失うのはどしても許せない、 輝きを失っている自分自身が許せないのだ。


僕はいつまでもずっと目ん玉の奥をギラギラ輝かせていたい。


しかし今の僕にはそれは言えない、 今の僕はその人達となんら変わりないからだ。


だが今に見てろ、 絶対に這い上がってやる。


一度死んだ人生だ。


もう恐い物なんかない今からはオマケの人生だ。


悔いのないよう生きてやる。


此処からだ。


僕の人生は此処からだ。


そう強く思い、今の僕に何かできる事はないか、 今、絶対なにかしなくてはいけないそんな気がした。


そんな時、 前にボクシングが出来なくなった時、母が冗談で言った言葉を思いだした。


『あんたの人生、本に出来るでな』


【コレだ!】


直感でそう思えた。


たしかに考えてみれば僕の人生は少し面白い、なかなか捨てた物ではなかったはずだ。


しかし【小説だ!】そう思えたのも【此処】にこなければ思えなかっただろう。


今までの道筋があったからこそ今、小説を書こうと思えた自分がいる、 決して無駄な事なんかなかった。


誰しもがそうだと僕は思えた。


ただその人それぞれの人生をどう考えどう生きるかそれだけだ。


そう思えた自分がいるのは紛れもなくいい仲間や家族、少しでも僕に関わってくれた人達のおかげだと思う。


今まで誰かの手に皆の手に支えられて生きてきた。


絶対に一人では生きてこれなかった皆がいるから俺がいる。


それが俺の人生だ。


そうして今、僕は小説を書きだした。


これからは俺の人生自分で書き換えてやる。


今からが俺の人生だから。


這い上がれば勝利。




最後まで御愛読ありがとうございました。


この小説を読んでいただいた人のなかで今、なにか辛い事や、 挫折、 人間関係が上手くいかない、 彼女、 彼氏に振られた。


そういう経験をしている、 またした事がある、 そうでない方も必ずこれから何か起こるはずです。


こんな若僧が言うのも恐縮ですが、 しかし皆さんの人生もまた今からなのです。


それからなのです。


そんな時、 一瞬立ち止まるかも知れません、 それでいんです。


少し立ち止まってじっくり考え、 人の話しをよく聞いて、 人それぞれの意見を自分に吸収し、 また本を読んだりしていろんな事をそんな時に吸収するチャンスなのです。


しかし長いことその場所にいてはいけません、 考えすぎても身体に悪いし、 長くいすぎると【そこ】に安らぎを覚えてしまい、 満足してしまいます。


実際、 僕がそうなりかけていました。


ですから皆さんもできるだけ早く【そこ】から立ち上がる努力をして下さい。


その努力をするなかで僕のこの小説が皆さんのお役にたてたら幸いです。


皆さんを元気に、 笑顔にできたらとても嬉しく思います。


本文にも書いたとうり僕の人生は今から、そう思っているので、これからもまたどんどん面白い未来が待っているはず、なのでまたなにかあれば次回作を書こうと思っているのでその時はまたお付き合い下さい。


それではまたおあいしましょう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 著者のお父様その友人の方からも私は若い時に 可愛がって頂きました。 色々懐かしい名前が出てきたので昔を思い出します。 私と出身校が一緒です。
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