恋と愛
美希と付き合い出してからの僕はまた少し元気、やる気を取り戻した。
美希といる時間だけは、ボクシングの事、病気の事、裏切られた事、そんな小さな事どうでもいい、いつまでも美希と一緒にいたい、そう思わされた。
美希と付き合い出してから職のない僕は、美希に恥をかかせたくない、美希と釣り合う男になりたい、そんな思いからすぐに就職活動をはじめた。
こんな事を思わせてくれる女性ははじめてだった。
就職活動をはじめてハローワークに毎日通って何度も面接を受けたが、中卒でしかも病気持ちで力仕事ができないとなると中々仕事が見つからなかった。
また僕は何がしたいかも自分で分かっていなかった。
また僕はボクシング以外で情熱を注げるか、 あんなに熱くなれるものはあるのか、 この時の僕にはまだ分からなかった。
そんな僕に美希は何も言わずただやさしく見守り支えてくれた。
そんな美希から一言『ボクシングができなくなって何がしたいか分からないのも分かるけど、今はいろんな事に挑戦してみたらいいんじゃない?
やってみて自分にあわないって思えばやめてもいい、自分がコレやりたいって思えるものに出会うまでわ。
勝利君には私もいるでしょ』
そんな美希のおかげで気持ちが少し楽になり、また、早く働いて自分で稼いだ金で早く美希にご馳走したりいろんな場所に連れて行きたい。
恩返しをしたい。
そう思わせてくれた。
そんな時、僕の先輩がが奥さんと喫茶店を出したと聞きお祝いをかねて店に顔をだした。
先輩の名前は伊藤敬史君。
別府ではちょっとヤンチャしてる子なら知らない人はいないカリスマ的存在で曲がった事が嫌いでとても真っ直ぐな人で僕の尊敬する先輩だ。
伊藤君とは以前、別府のヤンキー特集で雑誌、実話ナックルズとテレビ番組秘密の嵐ちゃんにも九州のヤンキー特番で一緒にテレビ出演もしている仲だ。
秘密の嵐ちゃんでは僕は使徒と二人でインタビューされている。
ちなみに僕はとある団体の集まりで実話週間にも載った事がある。
話しが少しずれたが伊藤君の店の名前はエテルナ、意味はエターナルのラテン語で永遠という意味だそうだ。
中はとてもゆったりして落ち着ける雰囲気でとてもオシャレな作りになっている。
コーヒーとハンバーガーがとても美味しい。
そしてなにより夫婦でとても楽しそうにしている先輩を見て、僕もいつか美希と二人でこんな店が持ちたい、そう思わしてくれるそんなお店だ。
それから僕は店を出すなら料理を覚えようと調理の関係の仕事を探し、十社面接し、十一社目でようやくある中華料理店にやっと職が決まった。
その頃、僕と美希は同棲をはじめていた。
美希との同棲はとても有意義なものであったが、長くは続かなかった。
美希は僕と一緒に暮らすため、仕事まで辞めて僕のところに来てくれた。
昼間にゴルフ場の受け付けをしていたのだが、別府から通うにはあまりに遠く、車で一時間以上かかるため受け付け嬢を辞めて別府のデパートで働きだした。
しかし僕の仕事が朝早くから夜は遅く、いつも家に帰り着く頃は日付けが変わっていた。
美希にはいつもさみしい思いをさせていた。
しかし美希はいつも寝ずに僕の帰りを待っていてくれ、 『今日のまかないは何が出たの』 『私の料理とどっちが美味しい』 『勝利君の料理が食べたい』
など他愛もない会話がとても幸せだった。
しかし時が経つに連れ次第に僕は仕事から帰ると美希との会話より、早く休みたく、帰ってもろくな会話もせずに寝るという、すれ違いの日々が続き、喧嘩が多くなっていった。
そんなある日、僕と美希はいつもの些細な喧嘩から大喧嘩に発展し、僕は物に当たり鏡を叩き割った。
すると鏡の破片が美希の顔に当たり怪我をさせてしまった。
その次の日にお互いに頭を冷やし距離をおく意味で美希は実家に帰っていった。
当初は二、三日で帰ってくる予定だったが顔に怪我をした事から美希の母親がそれを許さなかった。
僕は美希に何度も謝り、帰って来て欲しいと頼んだ。
しかし美希は『勝利君がもう少し変わってからじゃないと一緒には暮らせない、私、 勝利君好きだよ、、別れたくないだから変わって』
僕はこんなに女性に頼み込んだのは初めての事だった。
またこの時、僕は美希との時間を作るため、また先輩から『会社を立ち上げたから手伝って欲しい、 病気の事は知ってるからキツイ事はやらせないしいつでも休んでいい、 給料も勝利の言い値でいい』
と頼まれ仕事を建設業に変えていた。
僕は人生で初めて人を心の底から本気で好きになってしまっていた。
今までは恋していただけでこの時初めて人を愛してしまった事に気がついた。
僕はもっと僕の事知って欲しい、 もっと分かって欲しい、 それにはどうしたらいいのか、 どうしたら変われるのか分からなかった。
僕は変わりたくて、どうしたら短気が治るのか、 どうしたら人にもっと優しくできるのか、優しさとはなんなのか、 それを知りたくてカウセリング小説、変わるならまず自分から変わらなきゃと言う本まで読んだ。
ただ分かって欲しくて、 ただ伝えたくて、、、しかし全てが裏目に出てしまった。
僕は美希との電話の時も、 もちろん一緒にいる時もいつもなら喧嘩になりそうな時も僕は深呼吸して、気持ちを整えていた。
たとえ口喧嘩になったとしても怒鳴るのを徹底的に我慢していた。
一度、美希から別れ話が出た時も、
僕は『美希と別れたら俺は一緒の町にいるのは辛いから大阪に行く、 もしかしたら俺の病気の原因が大阪の病院なら分かるかもしれなから』
そう言うと美希は『今の勝利君とは一緒には居れんけど大阪に行って離れ離れになるのは嫌だ』
そんな美希のワガママも聞き入れた。
しかしただ無理をしていただけだった。
ついに些細な事で喧嘩になり、 怒鳴りちらしてしまった。
何故なんだ、 俺はここまで頑張っているのに何故分かってくれないのだ。
そんな思いが爆発してしまい、 僕は美希に手を上げてしまった。
その日、僕と美希の関係は完全に終わった。
僕は女性と付き合って、こんなに楽しく思った事はなかった。
僕は女性と付き合ってこんなに笑い合った事はなかった。
僕は女性と付き合ってこんなに泣いた事はなかった。
僕は女性と付き合ってこんなに苦しんだ事はなかった。
この時僕は、恋は楽しい物で愛は辛い物だと知った。
後書き
もしこの小説を見てる方で別府に来られる事があれば是非、喫茶店エテルナにおこしください。
ここでしか食べれない、飲めれない、食べ物、飲み物があります!
とても美味しいので是非おこしください。




